276.nouvelle ページ26
次の日、午前は特に何もなかったが、18:00弱になった頃に看護婦さん以外の人がやって来た
その人物は昨日、鉄平の言っていた人物だ
(人1)「ええと、君は確か…」
桜「先日貴女に助けて頂いた者です。…スイマセン」
おおう、早速スイマセンが出た
そうやって謝る前に、早く名乗ってくれ
ボロを出しちゃいそうだから
(人1)「あの時の人ですか!!大丈夫でしたか?何もされていません?」
桜「ぼ、僕は大丈夫です。…あのっ!!本当にスイマセンでした!!」
思いっきり低く頭を下げる
桜「僕があの人達にカツアゲ何てされてたから、貴女はこんな大怪我をしてしまいました。もしかしたら助けて逃げられたかもしれないのにっ…いや、何方にせよ僕は何も出来ませんでした!!スイマセン、スイマセン!!」
その体勢のまま何度も繰り返し謝る光景を前に、私は戸惑いを隠せない
声がだんだん小さくなり、風邪を引いた時の様な鼻声に変わっていく
何か、逆にこっちが申し訳ない
丁度届く場所にある桜井 良の頭に、動かせない訳でもない右手をポンと乗せると、涙やら鼻水やらでぐしゃぐしゃになった顔を僅かに上げた
(人1)「そんなに謝らないで下さい。あれは私が気を抜いたのが悪いんです。君は警察に連絡を入れてくれたんでしょう?本当に助かりました」
でも、でも と言う彼につい口元が綻ぶ
(人1)「君は悪くないです。何も悪い事なんてしてません」
頭を優しく撫でれば、収まっていた筈の涙がまた流れ始めて、ふぇ… と謎の声を漏らしたと思ったら幼子の様に遠慮なくわあわあと泣いた
数秒後、その場にズルズルと崩れ落ちてしまい、私の腕がヤバい痛い
これはどうすればいいのだろうか…
こんな事は初めてだから、これに対応する事が出来ない
兎に角、泣き止むのを待つとしよう
○
*
○
*
○
桜「す、スイマセン…」
ようやく泣き止んだ桜井 良は、その場にあったパイプ椅子に座って、持参のタオルで顔を拭いていた
タオルの端には、熊のステッチがあり…何だ、ただの女子力か
(人1)「お気になさらず。…目元赤くなっちゃいましたね」
桜「スイマセン…」
(人1)「…さっきっからスイマセンしか言ってないですね」
桜「…スイマセン」
…
もう謝んな!!
扱いに困るんですけどこの子
可愛いけど謝り過ぎてそろそろうざったくなってきた←
そうだ、名前
(人1)「あ、自己紹介してませんでしたね。私は木吉 Aです」
桜「僕は、桜井 良っていいます。スイマセン!!」
だーかーらー!!
210人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠井乃(プロフ) - ゆっき○`∀´○さん» ありがとうございます!! まじですか凄い嬉しいです(*´∀`) 頑張ります!! (2016年11月23日 5時) (レス) id: 6dae7f5183 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっき○`∀´○ - これすっごく面白いです!! この作品のファンになっちゃいましたよ!>∀<更新頑張ってください!! (2016年11月9日 18時) (レス) id: fb11fa833b (このIDを非表示/違反報告)
悠井乃(プロフ) - リズさん» ありがとうございます!! (2016年11月6日 21時) (レス) id: 6dae7f5183 (このIDを非表示/違反報告)
リズ - この作品面白いですね! (2016年10月31日 23時) (レス) id: 9929c522bf (このIDを非表示/違反報告)
悠井乃(プロフ) - マーチャさん» ありがとうございます!! 頑張りますね!! (2016年9月10日 11時) (レス) id: baf3c67520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:悠井乃 | 作成日時:2016年3月22日 17時