「特別」 ページ6
私の頭を優しく撫でてくれるなーくんは、いつだってかっこいい。
なーくんに、髪を乾かしてもらうのは私の一日のご褒美。
私の髪をなーくんの骨ばった大きな手が優しく撫でる。
「なぁくん?」
「なーに。」
小さい子をあやすような、そんな声で私の声に答えるなーくん。
「大好きだよ」
思ったことを伝えるとなーくんは笑った。
「急になに笑」
「いや、やっぱりなーくんのこと好きだなって。」
なんでか分からないけど、急に思った。まぁいつも思ってるけど。
「俺も、Aのこと大好きだよ。」
素直に、嬉しい。
「ふへへ、ありがとう。」
幸せだな、私。
唐突にそう感じる。
いつだって大切な人の温もりを感じられて。
大好きな人に、大好きって言えて。
なんて幸せなんだろう。
なーくんに、私の身を任せながらゆっくり風を浴びる。
そんな、特別が、いつの間にか当たり前になっている。
だから、だからこそ。
特別が、当たり前になっても大切に1個1個踏み締めて生きたい。
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作者名:凛月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年7月5日 21時