「当たり前」 ページ5
俺の膝にすっぽりと入ってうとうとしているAは、とても可愛い。
お風呂から出たAの髪の毛を乾かすのは俺の日課。
トゥルトゥルの髪を優しく撫でる。
「なぁくん?」
Aが上目遣いで話しかけてくるので、優しく答える。
「なーに。」
「大好きだよ」
「急になに笑」
「いや、やっぱりなーくんのこと好きだなって。」
「俺も、Aのこと大好きだよ。」
「ふへへ、ありがとう。」
あぁ、俺幸せだな。
唐突にそう思う。
隣にいつも大切な人がいて、手を伸ばせば触れられて。
大好きな人に、大好きって言って貰えて。
なんて幸せなんだろう。
Aの、髪を、乾かす。
そんな、当たり前が、俺にはとっても特別に感じられる。
だから、だからこそ。
当たり前な特別を、噛み締めて生きたい。
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作者名:凛月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/n15a76543b1
作成日時:2023年7月5日 21時