GFハウス【4】 ページ5
「うへっ、ノーマンが鬼だ」
『うーん…逃げるのが難しそう』
鬼になったノーマンはドンにチョキを見せてニコニコしている。余裕の微笑みってやつかな。
「レイは?」
「パス」
その言葉にエマは「チェッたまには混ざればいいのに」と愚痴をこぼす。
一緒に鬼ごっこしたいんだろうな。
私もしたい。楽しいし。
「A参加するんだ」
『うん、レイも参加しようよ』
「……いや、やっぱいい。それよりノーマン数え始めるから逃げろ」
『そっか……私、レイと鬼ごっこしたかったな〜。今度はしようね!』
そう言って森に向かって走り出す。
途中でレイが小さく「頑張れよ」って言った気がした。
と、それから数秒時間が経ち、今は木の上で身を潜めている。
何人か脱落者が出るのを見ていると、ふと少し前にエマが「外が不気味な気がする」という話を持ちかけてきた時のことを思い出す。
「そうかしら。今までハウスを出たった兄弟達誰1人手紙の一通も寄越しゃしない。
きっとハウスのことなんて忘れちゃうくらい毎日楽しいことでいっぱいなのよ!」
ギルダがそう言った。
そして外に出てからやりたいことをギルダを始め子供達が口に出す。
「あ〜〜私も早く外へ出たい。そして色んな服を着たい!」
「外はハウスにないものいっぱいだからな〜」
「ぼく汽車見たい」
うんうん、分かる。
そう木の根っこに座って頷いて聞いていると、ノーマンが隣に座って「Aは?」と聞く。
『私は……幸せに暮らしたい、かな?』
すると皆が笑う。
ノーマンは「今だって幸せじゃないの?」と言って優しく頭を撫でた。
レイはどこか遠くを見てたけど。
「私Aに里親が見つかって出ることになるとかって考えたくなーい!」
「俺といんだから今が幸せに決まってるだろ!」
「ちょっとドン、そこは俺達って言いなさいよ」
こんな風に過去を思い出しているときって、現実に戻ると物事にすぐ対処ができなくなるよね。
「A見ーっけ」
『えっ……ってうわぁ!?』
「あ!」
それは一瞬の出来事だった。
ノーマンの声に驚いてバランスを崩し、そのまま木から落下した……のだが。
「危ない危ない」
『……ちょっと、これ作戦なの?』
「いや?でもちゃんと捕まえれて良かった」
『は、恥ずかしい……』
そのままノーマンに姫抱きされて捕まってしまったのである。
最後はやっぱり、ノーマンとエマの一騎打ち。
431人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時