《番外編》 ページ39
前回の番外編の続きからです。
──
「…おまっ……え?どういうこと?」
『だから!ドンが嫌いなの!』
レイと別れたあの後食堂にドンがいた。
今は、先程のレイと同じ手口で「嫌い」と伝えたところである。
ドンは思った通りの反応をしてくれるから騙しがいがあるね!
「またまた〜冗談だろ?」
『そういうところ本当に嫌い』
「お、俺は好きだけど!?」
『私もすk……嫌い!嫌い!!』
「マジかよー」
危なかった…!
相手が嬉しいことを言ってくれるとすぐに本当のことを言おうとするんだこの口は。
危うく二の舞を演じるところだった。
「じゃあさ、どうやったら好きになってくれるんだ?」
『え?なんで?』
「なんでって……嫌われてんだったら好きになってもらうしかねぇだろ。なぁA、教えてくれよ!俺頑張るからさ…!」
そう言って両肩をガシッと掴み私に迫った。
頑張るというのは本当のようで、ドンの背からはメラメラと炎が立っている。
本人は夢中になりすぎて気付いていなさそうだが顔が近い。かなり近い。
これ以上近付かれたら心臓の音がドンに聞こえてしまうのでは、と恥ずかしくなって、ネタバラシをすることにした。
『そんなことしなくていいよ。というより、そのままのドンでいて』
「だってそれじゃあ…」
『私、そのままのドンが好きだからさ』
「……え?」
『恋愛かどうかは置いといてだよ?私はそのままの君が好きです。じゃあこれで!バイバイ!!』
「ちょっ…は?え?」
自分で言っておいてなんだけど、すごく恥ずかしい。今絶対顔真っ赤。熱い熱い。
そんな顔を見られる前にと急いで会話を終わらせてドンに背を向けたが、彼にはこの顔は見られたのか、見られていないのか……。
──あ。
『あとさっき嫌いって言ってごめん!今日エイプリルフールだから許してー』
顔を向けず手だけ振ってその場を立ち去る。
さぁさぁ、次はノーマンだ。
「俺もお前のこと好きだかんなー!!!エイプリルフールとか関係無しにー!!」
『あーもう!分かったよ!』
ハウスの皆に聞こえてしまいそうなぐらい大声を出したドンに、恥ずかしくて少し怒りながら適当に返した。
ドンはどこまでも馬鹿だ。
……でも、それと同時に人を赤面させる天才だ。
──
next→ノーマン
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時