----- ページ45
狭い路地でクラクションが鳴り響く。
それを鳴らしたのは運転席にいる安室さんで、鳴らした相手は前にいるクール宅配便のトラック。
よくよく見れば、コンテナの扉の僅かな隙間から子ども達の姿が見える。どうやらグッドタイミングだったようで、安室さんが自然と車の外へ出た。
安「すみません
この路地狭いからちょっと譲って貰えますか？
傷つけなくないので」
安室さんは最後の言葉を強調して言った。
宅配便さんは見たとこ二人。細身の男と少し太った男。その二人は「あぁ…」「今すぐに…！」とコンテナの扉を閉めようとしたその時、
元「た、助けろ兄ちゃん！！」
歩「助けてー！！」
子ども達からの決死のSOS。
これを無視出来るほど、利口な生き方をしていないし、何より私はFBIの捜査官であり、子どもが好きだ。
貴「あれ、歩美ちゃんに元太くん？
そんなところで何してるの？」
車から出てわざとらしくそう問えば、安室さんからの何で出てきたんだという目線が感じられたが、構わず安室さんの隣に立つ。
宅配便の二人は焦って扉を閉めようとするが、元太くんがさせまいとこじ開けている。
「てめぇら、ガキと知り合いか！？」
安「えぇ、そうですけど？」
あ、降谷スイッチが入った。
細身の男が私達に近づき、言い放つ。
「見られちまったら仕方ねぇ…
ガキを殺されたくなかったら、あんたらもコンテナの中に…」
私の肩に男が手を置こうとした刹那、私の前に安室さんが踏み込み、男の腹に拳を入れた。何か、もう、人間から出ちゃいけない音が聞こえた。
そんな一撃をくらった男は立っていられる筈もなく、安室さんに向かって倒れた。
安「言ったでしょう？
傷つけたくないから譲ってくれと」
貴「ﾋｴｪ…痛そう……可哀想……」
犯人とは言え、余りの仕打ちに目も当てられず私は目を両手で隠す。
細身の男は安室さんという支えがなくなり、地に伏せた。残るは太った男だ。だがもうその彼は仲間が倒れた様子を見ていたので怯えているようだ。
安「貴方もやります？」
シュッシュッと拳を素早く動かし、最後にはその拳を怯えている男の顔面ギリギリで止め、ニッコリと笑ってみせる安室さん。
いや、もう怖いです。
「いいい、いや、いや……」
両手を上げて男は降参し、腰を抜かしたように座り込んだ。
と、同時に子どもの歓喜の声が狭い路地に響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小雪(プロフ) - 夏樹さん» 初めまして！BBちゃん可愛いですよねー！ムーンキャンサー欲しいですけど巌窟王ほしい…！来年復刻くるのを願いましょう…！（笑）続編作りましたのでそちらも見ていただければ嬉しいです！！ (2018年8月24日 13時) (
レス) id: 46ba2c9208 (このIDを非表示/違反報告)
夏樹(プロフ) - 初めてまして。私はBB推しなのですがメイヴ様2枚だけでしたよ。更新楽しみにしております。 (2018年8月24日 13時) (レス) id: 38b3a28175 (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - りんごさん» 例のエンディングの安室さんの寂しげな背中を見て「ポアロで安室さんを幸せにしたい！！！」という謎の使命感にかられて書きました（笑）ほっこりしていただけて嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年8月23日 16時) (レス) id: 46ba2c9208 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 仲が良いですね〜 見ててほっこりします笑 更新頑張ってください！ (2018年8月23日 10時) (レス) id: 0d67710dc7 (このIDを非表示/違反報告)
小雪(プロフ) - 純白さん» リクエストありがとうございます。そうなんですよねー…イチャイチャシーン私も書きたいです……次の本編が一段落して緋色シリーズが始まる前辺りに少し番外編でイチャイチャさせようかと思ってます！（笑）更新頑張らせていただきます！！ (2018年8月21日 11時) (レス) id: 46ba2c9208 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小雪 | 作成日時：2018年7月18日 13時
