小さな恋敵 �� ページ46
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呪印が描かれ人型に切り取られた札
糸のように何処かへ繋がっていく呪力が見える
仕掛けられた者の行き先を追跡できるよう
小細工したつもりだろうが、
僕から見れば逆に術師の場所を間抜けに晒している
『こういうのには弱いんだよね。まあ式神だから仕方ないか。』
そう言って自分の腰に札を貼り直すAさん
さっきまで恵たちに向けていた視線とは正反対の
慈愛なんて欠片もない、
無感情に相手を始末する呪術師の顔
でも薄らと享楽が見え隠れする口元が色っぽくて堪らない
「何する気？僕が片付けてこようか？」
『だめ。もう少しでお別れなんだから、ここにいて。』
「…ん"ン」
恵と津美紀ちゃんが前で並んで歩いて
少しだけ離れた後ろでさっきよりくっついて歩くAさん
そんな事言われるとは思ってなくて、
不意を突かれて準備不足の胸が甘痛い
どうせ津美紀ちゃんと勘違いして自分を探しに来た
術師を返り討ちにするつもりなんだろう
怪我の心配なんて微塵もしてないけど、
それでもやはり気が乗らない
「そんな事言われたら何にも出来ないじゃん。」
『しなくていい。』
「僕には守らせてくれないの？」
『殆ど死にかけてたのを助けてもらった。今こうして過ごしてるのは、悟のおかげだよ？』
「もうあんな思いは2度としたくない。」
『あ、ちょっと』
前の2人が話に夢中なのを確認して
短いキスをした隙に腰の札を剥ぎ取る
「すぐ終わるから。待ってて。」
少しも怖くない怒った愛しい顔にもう一度口付けて、
呪力の糸の元に”飛んだ”
一瞬の間も置かずに辿り着いたのは
公園の近くにとめられた黒い車
中には呪術師が3人
階級はせいぜい二級か三級くらい
「っ！！？」
「しょーもないことしないでくれる？せっかくの休日なんだから、彼女に集中させろよ。」
助手席の窓を蹴り割って
驚いて喚き出した男達にさっきの札を投げ渡す
急いだせいで米を置いてくるのも忘れて
なんとも格好が付かない
「なッ、五条さと、る…！？」
「…っ怯むな、こっちだって御三家の後ろ盾があるんだ！」
口は達者に開きながらも
体は震えながら呪具や掌印を構える男達
一番近くにいた芋みたいな頭を掴んで
骨が軋む音が聞こえるように力を込める
「時間が惜しいから殺しはしない。でも、顔は覚えたから。次僕に会う時は気を付けてね。」
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縞(プロフ) - ゆきえもんさん» ご指摘ありがとうございました。修正しておきます。 (2021年1月28日 16時) (
レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
ゆきえもん - 33､34に使われている『役不足』は「能力に対して役が不足している」という意味なので『力不足』か造語ではありますが『役者不足』の方が合うと思います(後者は誤用だとツッコまれるかもしれませんが…)。とても好みの作品なのでこれからも応援しています。 (2021年1月27日 23時) (レス) id: eb1315ed8d (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ* - 初コメ失礼いたします。 チューベローズの続編が見たいです。大きくなった恵君との絡みや他のキャラとの絡みが見てみたいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: cd2ef48f8b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - 初コメ失礼します。チューベローズの初恋の続編を見てみたいです！よろしくお願いします。 (2020年5月17日 10時) (レス) id: 2503e394d8 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - 初コメ失礼します。しにたがり姫の方も好きで続編を是非見たいのですが、チューベローズの大きくなった恵などを見てみたいです！よろしくお願いします！ (2020年5月17日 8時) (レス) id: 58d70e644d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月24日 15時
