【A3!】雨、やまないね。【碓氷真澄】

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「ふぁ…」







授業中、私は先生に気づかれないようにあくびをした。



一番前の窓側の席に座ってる私は、
先生に文法の説明について行こうと必死にメモをとる。



「……だから…ここはこう訳すんだ」



先生の話に集中していると、
不意に視線を感じた。



ん？と振り向くと、
廊下側の後ろから2番目。

つまり、私とは反対側の席。

その席に座ってる真澄がこっちを見てた。






ﾄﾞｷ｡






目を合わせると真澄は口を開いた。

もちろん口パク。




『今日お昼なに』




い、今それ言う？
まだ授業中なのに。




『真澄の好きな唐揚げあるよ』



すると、真澄は少しだけ顔をほころばせて





『楽しみ』







…ﾄﾞｷｯ。







不意打ちすぎる…。





赤くなった顔がバレないように、
私は顔を黒板に向けた。




口元が緩んで仕方ない。




ずっと隣にいる幼なじみが、

君の一つ一つの仕草に

ドキドキしてるってこと…

真澄は気づいてる？









「って、気づくわけないか」







少しだけ笑って、
私は先生の話をまたメモし始めた。





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