25 - 2 刹那 ページ45
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「わっかんない」
廊下を物凄い勢いで入るのが、ひとり。
その表情からは、苛立ちと焦りが十分なほどに感じられた。
「…全っ然、わかんないわよっ」
ガンガンと打ち付ける頭痛の中で、誰もいない廊下の角を勢いよく曲がり、今度は階段を駆け上がる。
人っ子ひとり居やしない。
それが私達の選んだ道で、賭けだとしても
彼が思うに、その賭けは大きすぎた。
「『シナリオ』がアタシ達の行動を規制してる…？
行動を決めてるのはアタシ達じゃなくて、元から決まってる道をアタシ達は歩いてるだけってことっ？」
憂さ晴らしをするように一人で唸って。
ぐるぐると頭の中が回るなか、足だけはとりあえず動かして。
『ナッちゃん……っ
抗う俺達の行動が規制されてるっ
…この”シナリオ”でAが落ちるのは絶対条件なんだよっ…！』
「絶対、条件って……」
思わずはたりと足が止まった。
落ちることが、絶対条件？
”死ぬのが確定”だとでも言うのか？
「……ふざけてんじゃないわよ」
拳を握りしめて、頭痛も忘れるくらいの怒りを爆発寸での所で抑えて。
「……これが絶対止められないっていう『シナリオ』？
………世界が繰り返すってこともまだ信じられてないんですけど？
マジで言ってるの？……ワケわかんない…」
髪を掻きあげ、大きく息を吸う。
階段の踊り場で、足首を回して。
頭を、回して。
ぴたりと止まった。
丸い瞳が、ゆっくりと階段の上を見上げる。
「…………落ちるのが、絶対条件」
一歩、歩を進めた。
「…泉ちゃん」
『何
…ねえ、この頭痛も関係してるの？
しかも、シナリオの規制って…』
「いいから
あんた、受け止めてよ」
『は？え、ちょ、なるく』
通信機の電源を落としてから、階段を駆け上がる。
迷い無く屋上まで駆け上がって、その扉を開け放つ。
そこには、膝をついた凛月と、手を伸ばす私。
「鳴上せんぱ…」
「ナッちゃん……！！」
もうすでにフェンスの向こうのAを見て、
嵐は上着を脱ぎ捨て、走った。
「せんぱっ…」
「……待ってて」
一瞬の隙に、そう告げて。
傾いた彼女に手を伸ばし、嵐は迷い無くフェンスを飛び越えた。
「ナッちゃん……ッ！！！！」
「お姉さまッ…！！！」
2人はフェンスの向こうへ、姿を消した。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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