React of the Queen. IV【あんスタ】

21 - 2 高嶺の花 ページ17

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「…え？

なになに、やだなぁ
繰り返す？悲しい？何の話か全然…」




「A」





優しい笑みが凍りついた。

こちらに凛月のほんのり罪悪感のこもった微笑みが、Aに向く。





「ごめんね

俺がみんなに言っちゃった」



「…、」





レオの顔がぴくりと動いたのが見えた。



私が″この世界″について知ったのは、レオの話を聞いたから。

少なくとも、凛月からではない。



皆に言ったのも、凛月ではなく私だった。





「凛月先輩じゃ」


「スーちゃん黙って」





棘もない、圧もない。

柔らかい声に、容易に止まる私。





「…ですが」



「俺もね、我慢の限界なの


″これまでの俺″が何で″今まで″ずっと何も言ってあげられなかったのか、疑問だけど」





砂浜に座ったまま、俯く嵐の隣で凛月はじっとAを捉えて離さなかった。





「1人で海外に行って、俺達とは高校で終わり？


家族に認められない、家にも居場所がなくて
寂しくて寂しくて、ずっと泣いてたんじゃないの？」




「……、何を根拠に」



「何で認めないの


頑固で甘え下手で素直じゃない
ほんっっとうに馬鹿で」



「寂しくない


どうせいつかは離れるんだもの
それが今か未来かってだけでしょ」





段々と凛月とAとの言い合いになって、他の私達が除け者のように感じられた。


でも、そうして外から見ていて、素直に感じたことがある。





「…、凛月先輩、なぜ素直に言わないのです


お姉さまは私達を愛しておられる
寂しいのでしょう？私達と離れたくないんでしょう？」




「うわ図々しい…」





ぎょっとした顔が堪らずにそう漏らす。


それを軽く睨むと、嵐は慌てて顔を背けた。





「……


互いに不干渉、完璧個人主義の孤高集団じゃあるまいし
大事なときに手を伸ばさなければ、大切なものを失ってしまう

そんなこと、あってはならないのです」




「…、スーちゃん」




「…貴女が私達の元から去るなど


そんなの、貴女が良くても
私が耐えられません、私が悲しくて、それこそ泣きたくなります」






貴女は望んでひとり、孤独に美しく咲こうとする。

寂しさを圧し殺し、優雅なる華として。






「お願いです、お姉さま


いつまでも、私のお傍に
……そうでなくともせめて、私との、私達との繋がりを絶とうとしないでください」







その華を壊してしまわないように、手を伸ばして


傍にいられる選択肢を、この手に。








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