23 - 3 恐怖と夜明 ページ32
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遥か、彼方。
遠く彼方に、手を伸ばした。
届け、と願ったって届かない。
そんな景色を、何度も見た。
絶望の瞬間を、もう、何度も。
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「…っ」
「凛月先輩？どうなさいました？」
真っ青な顔を上げた凛月に声をかけると、彼は私の顔を見るなり安堵したように笑った。
「…、嫌な夢を見ちゃっただけだよ、スーちゃん」
凛月が『嫌な夢』と言うのは、決まって『彼女が落ちる夢』だった。
”この世界”について知ってすぐにも、凛月が昼寝の最中に飛び起きたことが1度だけあった。
その時に、嫌な夢について聞く機会があった。
「…、
もう、明日で終わりますよ」
明日の準備のような事を終えて、Knightsらしく、どんなときでも普通に練習だけは少しでも行う。
他のmemberはあっさり帰ったが、凛月はその場で寝こけ、私はというと何となく帰る気になれずにstudioにいた。
「わかってるわかってる
俺もそのつもりだしねぇ」
最近は、言い聞かせるにしては過剰なほど同じ言葉を繰り返している気がする。
『大丈夫』『終わらせる』
伝える人は違えど、言うことは同じ。
それ以外に言えることなど、特に思い当たりもしなかった。
「leader、……いえ、レオさんは
案外あれでもいろいろと考えていて、ひとつの事に頭がいっぱいの私とは違うのだと、感じました」
「ん
月ぴ〜はやればできる子だからねぇ
それに、今回はAのことだから、より一層」
「私だって、お姉さまの事は大切で、他の誰よりもお慕い申していると自負しております
…でも、私はレオさんとは違って、落ち着いてはいないし、今日のlessonだってそれどころではありませんでした」
静かな部屋には、ぽつりぽつりと話し声だけが響く。
小さくこぼした弱音を、凛月は軽く包むように覆い隠した。
「…ううん、みんなそうだよ
スーちゃんだけじゃない
月ぴ〜だってセッちゃんだって、ナッちゃんだって
どうせ、みんな今も家には帰ってないよ
それぞれが、それぞれの場所で考えてる
『”明後日”は来るのか』」
小さく笑った凛月が差し出した手も、小さく震えているのだと
同じく抱えた恐怖に笑い合って、夜は明けていく。
「俺達に出来るのは、『”明後日”は来る』って信じるだけ」
そうすれば、震えないから
そう言って笑う凛月は、ただ、強かった。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません！！←ありがとうございます｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀｀)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇｀)ﾉ (2020年9月23日 19時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます！漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます！ (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ｰ’*)ﾉまた、地の文に多少英語があるのは、この第４章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました！他の作品も徐々に進めますね｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀｀) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます！｢シナリオ『spring』へ戻る。｣というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事｢ズ！！｣に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか？ (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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