13 - 5 ルーク ページ6
.
──『5日後、講堂で待ってる』
その言葉が、酷く余韻のように残っている。
「…5日後」
ぽつりとAが呟くのを聞き、
現実に引き戻されたように、みんなばたばたと動き出す。
「練習しよ、練習」
「考えてる暇ないしねぇ」
「アンタら、冷たいのやら優しいのやら…
素直じゃないわよねェ…」
嵐のような王が去った後、騎士達はテーブルを囲んで輪になった。
手を重ねてやる気入れ？決意表明大会？
そんな生温いことじゃない。
「5日後、日程もハードだけど
俺達にとっちゃライブ本体もいつもよりだいぶハードになるよ」
「どういうことです？瀬名先輩」
1枚の紙に、泉がすらすらと1日の日程を綴っていく。
それを見つつ、凛月が口を開く。
「簡単なことだよ
俺達は最初、王さま率いる『だれか』と戦う
…俺達は誰と戦うのか、まだわからないけど
あの様子じゃ、王さまは本気でKnightsを潰すつもりだよ
戦力はきっと十分すぎるくらいで来る」
「それが終わってすぐ、俺達は休む間もなく天祥院率いるfineの決闘を受ける
…まあ、その決闘は放棄することもできるけど
あいつ……、日々樹が投げた手袋を拾わない限り、決闘は成立しないし」
凛月はそう言った泉をじっとりと睨んで言った。
「…わかってると思うけど
出来ないことはないってだけで
できる確率は限りなく低いし、するつもりもない」
ペンを置いた泉を見て、凛月は続ける。
「俺達は客の前で宣戦布告される
予想もしないライブに客は期待する
断れば、俺達への期待を裏切ることになる」
「…それに、前に日々樹先輩に1度宣戦布告されたときも、あの時点で校内の結構な人に知れ渡っちゃったものねェ
全く、用意周到なものだわァ」
「どんな理由でさえ、戦いを放棄して良い筈がありません
お姉さまは、私達の元にいてほしい
fineの元に行くなど、天祥院のお兄さまとはいえ我慢なりません」
『そうと決まれば』と凛月は大きく背のびをした。
泉は書き上げたスケジュールを、スタジオの扉に叩きつけるように貼り付けた。
「まあ、最初から決まってはいたけど
一応、ね
覚悟は聞いとかなきゃだから」
「負ける気なんか更々ないよぉ
……何の為に守ってやったのか、思い知らせてやんなきゃ」
嵐も背伸びをし、くすと笑った。
「…大事なおうちだものね、みんなの」
「ええ、home、ですから」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まひる(プロフ) - *ピンク*さん» ありがとうございます、嬉しいです(*´ω｀)これからの物語も楽しんでいただけるようなものであれば幸いです〜(人*´∀｀) (2019年10月17日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
*ピンク*(プロフ) - いつも楽しく読んでます！！更新頑張ってください！！！！！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: dc0ff62b63 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
