# Take 71 ページ24
「ちょっとAちゃん…！
待ちなさいったら…っ！！」
嵐が本気で追いかければ、私はいとも容易く捕まってしまう。
優しく、でもしっかりと捕まれた手首。
振り返れは、しなかった。
「どうしたの……？
あんたの大っ好きな泉ちゃんよ？
どうしてあんな…」
「…………ない」
「え？」
「何でもない
嵐には関係ないの…！」
つい勢いで言い放ってしまった、言葉。
『関係ない』
それが何より、自分の親しい人に言われたくない言葉だということも、私は知っていながら。
「………、」
嵐が私を掴む手は、あからさまに緩んだ。
ドキッと、嫌な予感がして振り向いた。
その瞬間に見えた嵐の表情は、見たこともないものだった。
「…ご、……ごめんなさい、Aちゃん
強く聞きすぎた
あなたの気持ちを分かってなかった」
「…あっ…、ちがっ、嵐、！」
「そう、アタシは泉ちゃんとAちゃんの2人の関係には無関係だもの
…口出す必要は無かったわね」
「嵐……！」
「ごめんなさい、先行くわ」
「……、！」
伸ばした手は、空回り。
声は何故か、喉が詰まったかのように、出ない。
足は重りのように、動かない。
空は心を写し出す。
まるで、鏡のように。
どんよりとした雲は、今にも振りだしそうだった。
涙を、必死に堪えているようだった。
それでも何故か、春の風は酷く暖かく
優しく、慰めるようにゆっくりと
風は髪を揺らせ、横へ、流れていった。
「……、」
鞄の中で鳴っている、携帯の着信音。
可愛らしい、鳥の囀りが
この暗がりの下で、静かな道でぽつり、鳴いている。
「……っ、」
まわりの色とりどりの、花達がすべて、モノクロにさえ見えてくる。
朝だと言うのに、雲の淀みで辺りが暗くなっていた、その瞬間。
朝日は突然、姿を現すのだった。
「いたぞA…☆
おっちょこちょいめ！今日が流星隊のプロデュースだと忘れていたか…☆」
暗がりに似合わぬ、『太陽』としか言い表せない暑苦しさと明るさを持つ者。
「………！」
「ん……？泣いているのか？A」
淀んでいた空気を、その男はいとも簡単に
バッサリと、打ち払った。
.
『振り払った手と切り開いた太陽』
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» ありがとうございます…！最近更新が遅めなのですが…それでも楽しんでいただけているようで何よりです！これからも精進します…！σ(*´｀*) (2018年3月17日 9時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - はじめまして、とても素敵です！お兄ちゃんしてるレオかっこいいです。瀬名もかっこよくて,,,,応援してます！ (2018年3月16日 23時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
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