＞ いずみ の となり で こい を ねがう II 【あんスタ】

# Take 66 ページ19

「……寝てるの？」





どうして先輩が此処にいるの？

学校がまだ途中じゃないの？






「…」






黙りこんだ先輩らしき人物は、何かゴソゴソと物音を立てる。

そして、ベッドからちょっと離れたところにある、小さな組立式のテーブルに、何かを置いたようだった。



布団に潜って寝たフリ(?)なんかをしているから、当然私に先輩の姿なんて見えない。



けれどあんなに綺麗で落ち着いた声なんて先輩しかいないし、

普通に家にいるけれど、先輩は私がめちゃくちゃ好きなモデルだ。


気持ち悪いけれど、先輩を耳で追ってしまうのである。





「……」





カタカタ、という音に、何か物を書く音。




嗚呼、先輩。

今、先輩は一体何をしているのですか。






極度のファンとは本当に気持ち悪いもので

こんな時でも私は、先輩のしている事を想像して、

心の何処かで楽しんでさえいるような気がした。



ファンの本能、恐るべし。






……、というか、さっきからしつこい程言い続けている事だが、私は先輩のファンである。

故に、部屋には若干、…いやかなりの枚数のポストカード。

…………たしかポスターも山ほどある。




壁に貼っているのはその内のほんの数枚だけだれど。

壁に貼っているポスターの内、先輩のポスターは2枚を残して他全て。



その壁に貼っているポスターというのは総計で10枚はあるから
(ポスターとは言ってもそれほど大きい物ではない)

大体8割先輩といったところか。




しかしまぁ、その残りの2割というのも、Knightsのポスターであって、それにも無論、先輩が含まれているのだからもう、

何もかもが一目瞭然と言いましょうか。




突然入った部屋に自分の物が張り巡らされていたら誰でも居心地悪いというか

何より気持ち悪いだろうに。




だか、ファンというものはこういう生き物なのである


どうか許してください、先輩。





「…よし、と」







何やら変な空想世界に入り浸っていた私であるけれど


若干気持ち悪いところもあるけれど、一応私も普通の女子高校生であるからに。






矛盾はとにかく気になるのですが。

今この状況で起きるというのはどうなのでしょうか、誰か教えて。







お兄ちゃんも何処にいったの。

早く戻ってきて、切実に。







誰か、誰でも良いから解決策を私にください。









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『好きな先輩、しかし混乱、故に救難信号』

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