# Take 58 ページ11
「……」
「……」
居心地の悪い沈黙。
そんな空気とは真逆に、可憐な花々が風に揺れ、
夕焼けに、花びらにのった雨粒がきらりと輝いていた。
「…………雨、…降ってたんだね、」
「…………あー、うん、
さっきちょこっと」
さっきまで普通に話をしていた私達が、何故こんなにギクシャクしているのかというと
それは案外単純なことであった。
「……じ、……ジャッジメント、凄かった、
格好、良かった、うん」
「…………うん、……ありがと、」
「……えーと…、……」
”ジャッジメントに勝ってから、もう一度”
大きな壁は、私の行き先を拒む。
恋とは、時に酷く重りのようにのし掛かってくるのである。
「……あのね、A」
気持ちを伝えるか伝えないか、それはその人次第。
その中にはもちろん、儚く散ってしまう恋もある
けれど、その恋をしなければよかったとはきっと思わない。
「…俺はAが好きだよ
でもね、Aが好きな人を、俺は知ってる
Aが好きな人が俺じゃないってことを、俺は知ってるから」
君にとっての恋は、どんなものだったろう
私には、聞くことができないけれど
「…私、は」
「…知ってる、だけど、」
凛月くんは、私に笑って見せた。
嗚呼、なんて儚いのだろう
こんな風に、崩れてしまうのだろうか
私は彼を好きになった方が幸せなんじゃないのか
「本当の、気持ち、聞かせて」
先輩は、こんな私を見てくれているのだろうか
凛月くんは、こんなにも私を見てくれているのに
本当の気持ちはこんなにも、
先輩で、溢れているというのに。
「…………ごめん、…………なさい」
傷付いたように笑う君を、呆然と見ることしかできないなんて。
「……謝んないでよ、大丈夫だから
俺が悪いことしたみたいじゃん？
それにさ、俺は応援するよぉ
面白そうだしね、外から眺めてるのも」
「……凛月、」
「っと、俺ピアノの練習あるから行くねぇ
日が短いしすぐ暗くなるから、気を付けて帰るんだよ」
嗚呼、なんて痛いのだろう
恋という、感情は。
頬は林檎のように赤くなるけれど
恋とは、林檎のように甘くはない。
.
林檎は、痛みを知らない。
.
『恋とは果実のようで、全く違うものである』
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» ありがとうございます…！最近更新が遅めなのですが…それでも楽しんでいただけているようで何よりです！これからも精進します…！σ(*´｀*) (2018年3月17日 9時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - はじめまして、とても素敵です！お兄ちゃんしてるレオかっこいいです。瀬名もかっこよくて,,,,応援してます！ (2018年3月16日 23時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
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