16 . 真紅 - Scarlet ページ17
.
.
「お招きに与り、光栄です。陛下」
いつもとは別人のように、彼、月永レオは紳士的な笑みを浮かべる。
そうして深々と、腰を折った。
陛下と呼ばれた、私達より年上であろうお方は予想外、女性であった。
「よく来ましたね、レオ。
そして泉、嵐、司。
凛月はいないのですか？残念ですね。
あれも可愛い我が子のようなものなのに」
「…アタシ達は、あんたのモノじゃないんだけどォ？」
清楚なそんな陛下に、嵐は唯一冷たく接する。
私がその場にいたならば、この嵐の言動にヒヤヒヤしてしょうがなかったであろう。
それよりも気になるのは、彼らが陛下と親しいことであるのだが。
「…ナル、止せ」
「…失礼したわねェ、陛下？」
「…ナル」
「いいですよ、レオ
…残念ですね、前はなついてくれていたと思ったんですけど…、まぁそれも成長の証拠というわけですね」
優しく微笑んで話す陛下は、レオに手を伸ばす。
「レオ、もう少しこっちに来てください
大きくなったあなたが見たいんです」
「仰せのままに」
「泉も近くに来てください？
嵐と司も」
「アタシは結構よ」
「鳴上先輩、少しは…」
「止せスオ〜。見苦しいぞ
…申し訳ありません、陛下」
つんけんする嵐をフォローするように、レオは深々と陛下に頭を下げる。
「ナルも、少しは敬語使え。陛下の前だぞ
……とは言え陛下、おれたちは貴女にお会いするためにに此所に来たのではありません
…おれたちを呼んだ用。
…………速やかに済ませることを提案しますが」
さっきとは一風変わって、レオは顎を引き、何かを指し図るかのように陛下を見た。
泉も、一歩後ろに引く。
「…、せっかちですね、レオ。
残念、もう少し愛でてさしあげたかったのですれど
何にせよ、久しぶりの再会ではありませんか
私も、少しばかり、嬉しいのですよ？」
「おれもお会いできて嬉しいです
お元気そうで何より。
……しかし失礼ながら陛下。…ままごとのような戯れ事に、おれたちが付き合っている暇は無いんです」
レオがそう言った瞬間、陛下はぴたりと止まり、
表情が一変した。
「…では、貴方のお望み通り」
その笑顔は、舞い踊る黒煙と赤い炎の奥に、ゆっくりと消えていった。
「貴殿方の殲滅を、始めましょうか」
.
17 . 終止符 - Period→←15 . 混沌 - Chaos
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています！楽しんでいただけて嬉しいです(*´｀*) (2018年3月18日 20時) (
レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - （続）名前入力忘れました！すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです！応援してます！ (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
（名前） - とても素敵なお話ですね！全員がかっこいいです！！！！まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます！！そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀｀*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください！どこまでもどこまでもd((ry 愛しております！！！(←怖い。)楽しみにしています！ (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
