12 . 願い - Desire ページ13
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『…王さまかぁ
想像以上に痛いとこ突くね
あんたは武術とか鍛えてる?』
突然繰り出された質問に、私は首を傾げながらも答えた。
「武術…?
そこそこかな、鍛えてはないよ
独学。やむを得ない時に使えればいいかなってくらい」
そう、と頷いた彼は続けた。
『Aは王さまがいると思うように力を発せなくなる
だから王さまは無闇に前線に出ないんだよ』
「…じゃあ遠距離戦?
凛月くんと一緒にいるってこと?」
『遠距離戦なのは合ってるけど、俺とは一緒にいないよ』
「え?……戦力の集中を防ぐってこと?」
『残念ながら不正解。
その答えはいつかあんたも知ることになる
嫌でも、俺達の過去を知ればね』
口角を僅かに上げて、彼は目を細めた。
『…とはいえ、それはまだ教えられないよ
俺はあんたを仲間だとは認めてないからねぇ
…まぁ、使える奴だとは思ってるけど』
「…それは私が道具、ってこと?」
『…。
…俺はあんたが思うほど優しくないよ
だから、あんたが言われて嫌な言葉も普通に言う
けどね、それはあんたのこれから次第で変わる
精々努力すればいいんだよ』
軽く、乗せるだけ撫でられた頭。
少しむっとしていれば、彼はやはり笑った。
『いじめたいわけじゃないんだよ?
セッちゃんみたいに罵倒しないしね』
「泉はそんなに罵倒しないよ
ちゃんと優しいさ」
そう言うと、彼はその笑みで少し固まって
僅かに視線を下へと下げた。
『……そっか。
セッちゃんはあんたにちゃんと優しくしてあげてるんだ』
「……?どうし」
『なんでもなーい。
ほら、深入り禁句。この話おーわり。
明日は任務だって王さまが言ってたよぉ
しっかり休んでおいた方が良いかもねぇ、…明日は大仕事だよ』
そう呟いて、彼はまた違った笑みを浮かべ
私に何かを押し付けて去って行った。
それを、何かと覗いてみると、そこには綺麗な字がたった一文載せられていて。
──
紙と共に添えられていたのは、仕込み式の小型銃。
この世代、銃も全て魔法起動式なのだ。
とはいえ、この銃が今更渡された事も
この言葉の意味も
私には理解できなかった。
「何だろ、…これ」
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まひる(プロフ) - L:eta-starさん» 魔法の名前は、例えば炎系統魔法でしたら、火に関連する英単語とかを参考にさせていただいています!楽しんでいただけて嬉しいです(*´`*) (2018年3月18日 20時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
L:eta-star - (続)名前入力忘れました!すみません:;(∩´`∩);:とても面白かったです!応援してます! (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
(名前) - とても素敵なお話ですね!全員がかっこいいです!!!!まひるさんは魔法の名前など、自分で考えて作っているのですか…??? (2018年3月17日 22時) (レス) id: e6de48871a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - まおりぃぬさん» ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです笑笑ご期待に答えられるように頑張ります(*´∀`*) (2017年7月15日 21時) (レス) id: 203be79402 (このIDを非表示/違反報告)
まおりぃぬ - 続編頑張ってください!どこまでもどこまでもd((ry 愛しております!!!(←怖い。)楽しみにしています! (2017年7月15日 20時) (レス) id: 053800845a (このIDを非表示/違反報告)
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