朱に染まりし空 ページ42
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「A」
「はい?」
頭を傾げた私に、レオさんはにっこりと笑った。
「これ歌える?」
「……え"っ、歌う、ですか……?
……わ、私歌うことなかなか無いですし、……それに楽譜見ただけでは……」
「…んー、そっかぁ
じゃ、セナ!出てこい!!」
『わははは☆』と高笑いするレオさんに、
イズミさんは渋々、目の前に姿を現す。
「……俺に歌えって言うんでしょ?
寄越しな」
「さすがセナ!!
これは新たな力の解放の予感…☆
何ならセナの曲にしても良いけど…」
「…〜♪〜♪」
歌い始めたイズミさんの声を、レオさんは目を閉じて聞く。
イズミさんの体から、シャボン玉のように蒼の光がふわふわ浮かび上がっていく。
「あら」
「…、!」
近くを通りかかったナルさんとツカサさんも、隣に座る。
歌い終わったイズミさんは、むすっとして呟いた。
「…そんな皆並んで聞くようなもんじゃないでしょ」
「…イズミさん、歌えるんですね」
「…泉にいるとき、こいつから教わったの」
「とても綺麗で落ち着きます」
「…、そ」
「だろっ!?セナの声、好きなんだ!!
Aもわかるのかっ?音楽の良さが!!!
あぁっ!この世は広いんだな…♪」
「えっ、あの、…」
楽しそうに笑ったレオさんは、廊下を駆け抜けていく。
「霊感探しの旅〜っ♪」
「…あっ、ちょ!月永!!
くまくんついてって!!!」
「……はいはぁい〜…」
寝ていたリツさんが透明になって消える。
「……そういえば、なんで私たち学校に?」
「ここが一番安全だからねぇ」
「近くの宿は海街にしか無いものねぇ?」
「しかも、広いですし」
「…はぁ。」
ただっ広い学校の一室。
教室のようだけど机は少ない。
ボロいのは変わらない。
「…なんでここ、ボロいんでしょう」
「廃校舎に見せるためじゃない?
他のやつらが安易に入らないための」
「………なるほど」
教室を見回し、窓を見つけて、窓を開けた。
窓から見える空も、
毒々しいほどに赤く染まっていて。
太陽は直接見ても不思議と眩しくなくて、
不気味なほどに大きかった。
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まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ありがとうございますσ(*´∀`*) (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 描いたらTwitterにでも載せさせて頂きますね! (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ぜひ~っ♪ありがとうございます!頑張りますね♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 本当良いんですか?!嬉しいです早速描かせていただきます!2章も楽しみです♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» お描きになってくださいって言い方はおかしいですけど…笑 描いていただけるのならこちらとしてはすごく嬉しいです(*´ω`*) (2017年1月18日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
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