妖の心 ページ34
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「ここら辺に出てくる鬼は格別でね、軍も手を焼いているんだ」
話を聞いていると、シュル、と首元に何かが滑る。
それに気づくと、小声で私は呟いた。
「おかえりなさい、イズミさん」
『…はいはい、ただいま』
「…久々に話してどうでした?」
『……普通は聞かないのが優しさってもんでしょ……
………別に、何ともないけど』
「…ふふっ、…どうせイズミさんの事だから、
あの真くんに怒鳴られてきたんでしょう?」
『なっ………あんた見てないよねぇ…?』
「あれ、図星でした?
ごめんなさい、……ふふ、怒鳴られたんだ」
『…ちょっと………チョーうざい……!!』
天祥院さんの話を聞きつつ、イズミさんと会話する。
「…でも、よかったですね
さっきより元気になった様な気がします」
『……はぁ?……気のせいじゃないのぉ…?』
「…ふふっ、そうですね」
「Aちゃん、楽しそうな所悪いんだけど…
これからはAちゃんにも関係する話なんだ、少し耳を傾けてほしい。」
「…あっ、はい!すいません、」
「良いよ
ふふっ、君を見ていると昔の僕を見ているようで、なんだかとても気分が良いんだ」
「昔の、天祥院さんですか?」
「時間があったらお話しできると良いね」
にっこり笑って、天祥院さんは話を続ける。
私が天祥院さんの話を聞き始めて会話が途切れた時。
不意に呟かれた言葉。
『…ありがと、A』
案外イズミさんって素直なのかな?とも思いつつ、また面白くて笑ってしまう
「こらこら、Aちゃん
…まぁ、良いけどね
司ちゃんが聞いてるから」
「鳴上先輩…!?私だけに任せないでください…!!」
「うふふっ、ごめんなさいね、冗談よぉ」
意外とイズミさんは照れ屋なところもあるんだな、なんて。
『……A…余計なこと考えてないでよねぇ…』
どうやら考えていることも、契約した妖には分かるようだ。
『A』
「なんですか?」
唐突に呼ばれて何を言われるのかと思えば
『人って変わるんだね』
「…………そうですか」
心のなかで小さく笑って、私はそう呟いた。
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まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ありがとうございますσ(*´∀`*) (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 描いたらTwitterにでも載せさせて頂きますね! (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ぜひ~っ♪ありがとうございます!頑張りますね♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 本当良いんですか?!嬉しいです早速描かせていただきます!2章も楽しみです♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» お描きになってくださいって言い方はおかしいですけど…笑 描いていただけるのならこちらとしてはすごく嬉しいです(*´ω`*) (2017年1月18日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
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