紅葉のレクイエム 『 前章 』【あんスタ】

結んだ契約 ページ11

「…」




「まず軽く自己紹介からしましょうか


アタシはさっき言った通り、鳴上嵐。
表はここで甘味処やってるの。
本業は、霊のお祓い。祓い屋って呼ばれてるやつよぉ」





「じゃあおれ！

おれは月永レオ……だよね？

辻斬りで指名手配されてるぞ！わはは☆」





「…え、指名手配？」





「…それは後で説明するから今は聞き流して


……セナイズミ
泉に住んでた妖。
あんたと契約して、あんたの妖になった」




「…私の？」





「……説明遅れてごめん
まず謝る。……焦ってた俺のせいだから


…契約は、妖と人が結ぶもの。
どちらかが自分の血を飲ませれば契約が完了する


契約すれば、俺は自由に行動したり出来るようになる
妖力を操ることができる

普通は人からするんだけどね。契約



人が妖と契約することで、人がその妖の力を使うことができる。




……俺が死ぬか、もしくはあんたが死ぬことで、契約は解除される
あんたが死ねば、俺も死ぬ
契約解除したかったら俺を殺して
そしたらあんたが死なずに契約解除できるから」






「…殺………っ？」





「…イズミちゃん」





「このどたばたが落ち着いたらもっと詳しく話すから」









立ち上がって、イズミさんは暖簾の奥へ消えていった。




それを見て、ナルさんがため息を吐く。










「…ごめんなさいね

いきなり物騒な事言っちゃって






あと、紹介したい子は二人いるんだけど…

一人は結構大きな家の子だから、あんまり簡単にここには来れないし、
もう一人はそのレオが契約した妖なんだけど、…人の匂いが嫌いだとかってこっちにほとんど来ないのよ
まあ二人とも呼べば来るのよぉ？

それに、一匹、はさっきまでは、居たしねぇ」








「………そういえば、





………外にあった死体、は……」









恐る恐る、そう聞けば









「もう既に死んでいる人間が、何かしらの霊力を纏って襲ってくるの。






………腐った人形、みたいにね」









そううっすら笑ったナルさんは、


何処か冷気を纏っていたような気がした。









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