sleepy 5 ページ6
「じゃあとりあえず今日は練習終わり」
及川先輩の掛け声で今日の部活が終了した。
マネージャー業務でバタバタしていたら、国見くんの事が頭から抜けてしまった。
もう部活は終わったし、夜も遅いしでこれから話をするとなると国見君に迷惑がかかってしまう。
国見君だって疲れているだろうし、明日の方がいいよね、、、
私は明日時間を作って国見君に話しかけることを決め、片付けに参加した。
「お疲れ、なんか元気なくね？」
ネットを片付けている私に話しかけてきたのは矢巾。
「お疲れ様、そんなに顔に出てる？」
「まぁ少しだけ」と反応しながら、矢巾はネットに手をかけた。
「え、手伝ってくれるの？いいよ、私やるから。疲れてるでしょ？」
「二人でやった方が早いだろ。断るとかかわいげねーぞ」
手伝ってくれるのはうれしいが、一言余計だ。
矢巾とは同じクラスで同じバレー部、なんだかんだ部活内では一番気が許せる相手かもしれない。
そういえば及川さんに「国見ちゃんの体調管理のこと、別にみんなに秘密にしてるわけじゃないから」って言われたっけ。
矢巾に相談してみるのも一つの手かもしれない。
私より国見君について詳しいだろうし
ありがたいことに矢巾は異常に口が堅いし。
そんなことを考えながら、まじまじと矢巾の顔を見ていると
「なんだよそんなに見て、気持ち悪いぞ」
と怪訝な顔を向けられた。
口が悪すぎるのはいかがなものかと思う。
「いや、ちょっと相談があって」
「珍し、なんだよ」
と片付ける手を止めずに聞いてくる矢巾。
個人の事だし、みんながいる場ではちょっと話しにくいな、、
「この後一緒に帰れる？」
という私の提案に
「いいよ。肉まん３つな。」
待たずに返答してくれた矢巾。
まあ疲れているだろう部活後に相談するんだ、私だってそこまで無神経じゃない。
「1つだけならいいよ」
「やり、じゃあ支度終わったら正門前な」
「了解」
矢巾と約束をし、片づけを終えた。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
