sleepy 41 ページ42
「及川先輩、どうしたんですか？」
急いで駆け寄ると、ムスッとした顔をしている及川先輩。
なんだか嫌な予感がする。
「なんで相手チームドリンクのなんかつくってあげてるの？！」
嫌な予感の正体はこれか。
及川先輩も時々子供っぽい事をいう。
「だって白鳥沢ってマネージャーいないじゃないですか。斉藤コーチがドリンク作ろうとしてたんですけど、忙しそうだったんでうちのと一緒に作った方が早いかなっておもって。」
私の言い分は何一つ間違えていない。
なのにいまだにムスッとしている及川先輩。
「Aちゃんはうちのマネージャーなのに！」
「及川の心の狭いことよ、、、」
「うっさいまっつん！」
「どうしようもねぇやつだな」
「岩ちゃんまでひどくない？」
私を責め立てる人はどうやら及川先輩しかいないようだ。
そりゃそうだ、悪いことをしているわけじゃないんだし。
「合宿中マネージャーには迷惑かけるかもしれねぇがよろしくな」
と及川先輩を無視した岩泉先輩に肩を叩かれる。
「はい、頑張ります」
それに応える。
「うちの監督といいマネちゃんといい、仕事が出来過ぎて困ったもんだよ」
と再び及川先輩に文句を言われる。
仕事が出来過ぎて困る事なんてないのでは？と言おうとしてやめた。
まためんどくさいことになるのは避けたい。
「いくら白鳥沢を手伝おうと、私は青葉城西のマネですから。安心してください」
そう言いながら及川先輩を宥める。
「わかったよ、、、」と口を尖らせながら無理やり納得する及川先輩。
「Aも及川さんの扱いうまくなったよな」
「ありがと矢巾」
もう少し大人になってほしいものだ。
「2試合目始めるぞー！」
とここで溝口コーチから試合開始の召集がかかる。
選手たちは全員ドリンクやタオルを置き、コートへと向かっていった。
「ふぅ」まだ午前中なのにいつもの倍疲れたな。
そう思いながら私はうちのチームのベンチに座った。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
