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sleepy 38 〜国見side〜 ページ39

―ピーッ!


一回目の試合が終わり、試合終了の合図のホイッスルが鳴り響く。


まぁ予想通り、一戦目は見事にうちの高校の負け。


だろうなって感じだ。






体育館の端で「ふぅ」と乱れた息を整える。


とここで体育館の外に人影を見つけ、目で追う。


よく見ると白鳥沢のジャージを着た女子生徒がちょこまかと動き回っている。


白鳥沢のマネージャーだろうか。







ん?いや、おかしい。


確か白鳥沢バレー部にマネージャーはいなかったはず、、


だとしたら何だ?


と不思議に思いながら体育館の入り口から顔を外に出してみると。







「あ、国見君。最初の試合終わったの?」


その正体はA先輩だった。


なんで先輩が白鳥沢のジャージなんか着てるんだ?


しかもやたらと大きいし。


「はい、終わりました。
それよりなんで白鳥沢のジャージなんか着てるんですか」


俺はA先輩に近づきながらそう聞いた。


「あぁこれ?実はさっきドリンク作ってたら自分のジャージ濡らしちゃって。
若利が貸してくれたの」


と嬉しそうに話すA先輩。


「そう、、ですか」


面白くないなと思ってしまったのはなんでだろう。


「大きすぎてちょっとあれだけど」










とここで俺が貸したはずのカーディガンを先輩が着ていないことに気が付いた。


「先輩、俺が貸したカーディガンはどうしたんですか?」


「あぁ、合宿だしいつもより動きまわるだろうし。カーディガン汚しそうだったから持ってこなかったの」


「へぇ、、、」


どうも面白くない。










「国見君?」


「これ、俺の貸します」


そういって俺は自分のジャージを脱ぎ、A先輩に渡した。


「え、いいよ。若利に借りたし。それに国見君寒いでしょ」


とジャージを俺の方に押し返してくるA先輩。


ウシワカのは借りたのに?と言いそうになり、グッとこらえる。






「そのジャージ着てたらまた及川さんが騒ぎますよ。」


とっさに出た嘘。


我ながらよくもまぁペラペラと嘘がつけるなと感心する。


「あ、、、それもそうか」


「そこまで考えてなかった、、」と目を伏せるA先輩


「だからはい。これ着てください」


そう言いながら、今度はA先輩にジャージを押し付けた。


「ほ、本当にいいの?」


申し訳なさそうに俺からジャージを受け取ったA先輩は、心配そうにそう聞いてくる。



「俺も一応男なんで。このくらい平気です。」


「ありがとう」

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設定タグ:ハイキュー , 青葉城西 , 国見英   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時

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