sleepy 30 ページ31
「おーい、みんな集まってくれ」
放課後、部活のために体育館に入って早々、入畑監督から召集の号が入る。
その声を聴き、ばらけていた部員全員が一瞬で監督の周りに集まった。
召集がかかったという事は、おそらく白鳥沢との練習試合の件だろう。
と気を緩めて監督が話し出すのを待っていると
「ん、全員揃ってるな。実は今度、白鳥沢学園とうちで数日間練習合宿をすることになった」
監督が発した言葉は、予想外の言葉だった。
「「「「練習合宿?」」」」
部員の声が重なりあい、体育館内に響き渡る。
私も声を出したうちの一人。
まさか合宿とは思っていなかった。
及川先輩の方をチラリとみると、彼も驚いている様子。
ということは及川先輩も知らなかったのか。
入畑監督、わざと教えなかったのか、それとも忘れていたのか、、、。
前者なら相当質が悪い。
「ああ、そうだ」と私たちが動揺しているのも気にせずに話を続ける監督。
「白鳥沢の鷲匠監督と話し合って決めた事だ。」
「え、でも白鳥沢が練習試合、、、しかも合宿するとか珍しくないすか」
と花巻先輩が私たち全員が思っていたであろうことを代表して聞いてくれた。
「いままでなかったことらしい。」
だよね、白鳥沢が練習試合合宿をするなんて聞いたことない。
しかもウチの学校と1対1でなんて。
「鷲匠監督もいずれ練習合宿をしたかったようだが、なかなか話が来なかったらしい」
「そんな時、入畑監督から声がかかって、、、ってことですか」
と岩泉先輩が監督の話に乗せる。
「あぁそうだ」
と腕を組み嬉しそうにしている監督。
でもこれはチャンスだろう。
白鳥沢はめったに練習試合なんてしないし、合宿なんてもっての他。
相手の実力も知れるし、自分の成長にもつながる。
入畑監督ってすごいなと改めて尊敬してしまう。
「監督、合宿っていつからですか?」
と松川先輩が挙手をして質問すると
「あぁ、明日からだ。三日間な。」
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作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時