sleepy 28 ページ29
授業終了のチャイムが鳴り、先生が教室から出ていった。
と同時に教室内が一気に騒がしくなる。
私も屋上行かないと、、、
自分の鞄の中からお弁当が入っている巾着を取り出し、屋上へ向かった。
たしか屋上ってこっちだよね、、、
屋上なんて入学してから今まで行ったことがない。
入学説明会の時に一瞬説明された気がするけど、正直自信がない。
自分の記憶を辿りながら階段を上ると
「あ、あった」
屋上入り口 と書いてある扉を見つけた。
―ギィ
耳をふさぎたくなるような金属音を鳴らしながら扉を開けると
身体に風が当たる。
外気持ちいいな
屋上には誰もおらず、貸し切り状態だ。
というか国見君の姿すら見当たらない。
まだ来ていないのかな、連絡きてるかも
と思いスマホを取り出した時
「A先輩、こっちです」
と国見君の声が聞こえる。
「え、国見君？」
辺りを見渡すも、国見君の姿は見当たらない。
幻聴か？と不思議に思っていると
「先輩。俺、上」
再び国見君の声が聞こえた。
「え？上？」
私は声に従い、空を見上げてみると
「やっと気づいた」と国見君が私の事を見下ろしていた。
「国見君、なんでそんなところに、、、」
国見君が居たのは屋上のさらに上。
ソーラーパネルが設置してある屋上の入り口の上のスペースにいた。
「ここなら人に見つからないんですよ、ここ登ってきてください」
と取り付けてあるハシゴを指さした国見君。
まったく、、、
私は言われるがままハシゴに手をかけて登り始めた。
「よいしょっと、、、」
ハシゴを登りきると、だらりと座っている国見君と目が合う。
「ちゃんと来てくれたんですね」
「まぁ約束したし。っていうか国見君、いつもここでお昼食べてるの？」
こんな所があるなんて知らなかった。
「たまに使ってるだけです。いつもは教室で食べてます」
へぇ、、
「先輩、こっち」
と自分が座っている所の横の地面をポンポンと叩く国見君。
「はいはい、、、」
私は国見君の横に腰を下ろした。
「わ、、、いい景色」
座ってから辺りを見ておどろいた。
すごくいい景色だ、いろいろな所が見渡せる。
「いいところでしょ」と持ってきたパンを頬張る国見君。
「いい気分転換になるね」
私もお弁当箱をあけ、昼食に手を付けた。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
