sleepy 17 ページ18
「よい、、、、しょっと」
遠くでボールが跳ねる音と、選手たちの掛け声が聞こえる。
かくいう私は、体育館倉庫の掃除をしている最中だ。
部活が始まったと思ったら、入畑監督に
「マネージャー、悪いが体育館倉庫の片づけをしてくれないか」と頼まれた。
もうマネージャーというか何でも屋だ。
掃除は嫌いじゃないしいいけど。
それと、昔使用していたユニフォームを探してほしいとも頼まれた。
引き受けたものの、早くも挫けそうになっている。
なんせ段ボールが多すぎる。
この中からユニフォームを探せって言うんだから監督も人使いが荒い。
とりあえず下に溜まっていた段ボールは片付けられた。
後は、、、
「あの上か」
と棚の上の方に積まれている段ボールを見つめ、「はぁ」とため息をついた。
一向にユニフォームが見つからない。
本当にあるのかどうか疑い始めた。
「脚立は、、、あった。」
とここで倉庫の端に置いてあった脚立を発見する。
錆が目立つけど、使えそう。
私は脚立を棚の前に設置すると、その上に立った。
これなら上でも届くし、片づけしやすいかも。
「こんなところで何してるんですか」
棚の上を掃除していた時、突然後ろから声をかけられる。
脚立から体を降ろし振り向くと、そこには国見君がいた。
「あぁ、国見君か。監督から倉庫を掃除してくれって頼まれて」
私はそう答えながら棚から下した段ボールを床におき、中身を確認する。
中に入っていたのは古いボールだった。
これでもない、、、
「先輩も大変すね」
「まぁマネージャーだしね。
国見君はどうしてここに？」
「いや、なんか倉庫から物音聴こえたんで」
「驚かせてごめんね」
私は再び脚立に乗り、別の段ボールに手をかける。
「俺取りますよ」
と私の手と重なるように段ボールに手を伸ばしてきた国見君。
「あ、ありがと、、、うわっ！」
とここで、自分の手を引っ込めたと同時にバランスを崩し、脚立から足を踏み外してしまった。
「危な！」
国見君の声が聞こえたと同じに、次にくる衝撃が怖くなり目を瞑ってしまった。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
