sleepy 15 ページ16
「A次移動教室だぞ」
1時間目が終わったと同時に、矢巾が私の机に向かって話しかけてきた。
1時間目が終わる頃からボーっとしてしまっていた。
そうか、次は移動教室か。
「教えてくれてありがと矢巾」
「行くぞ」
私と矢巾は必要な教材をもって一緒に教室を出た。
「さむ、やっぱり廊下の方が寒いね」
「だな、最近気温下がってきたみたいだし」
廊下に出ると、寒さがより一層強まった気がする。
着々と冬が近づいている気がする。
とここで廊下を歩く、一際背の高い生徒が目に入った。
「あ、国見くん」
つい声に出してしまったが、あの後ろ姿からして国見君な事は間違いないだろう
「ほんとだ、おーい国見」
矢巾も国見君の存在に気が付き、彼に向かって名前を呼び、手を振る。
振り返った国見君は私たちの存在に気付いたのか「あ」という顔をする。
「こんにちは」
と挨拶してくれる国見君
あれ、なんか
「なんか国見君顔色よくない？」
という私の言葉にあわせ、「確かに」と国見君の顔をまじまじと見る矢巾。
「それ、及川さんにも言われました。
昨日よく眠れたんでそのせいだと思います」
と自分の顔を触りながら答える国見君。
「えっ、昨日眠れたの？」
思わず聞き返してしまった。
「はい、朝方起きちゃったんですけど、6時間くらいは、、」
だから顔色がいいのか、、、
「よかったじゃん」
「ありがとうございます」
と会話をしている矢巾と国見君の様子を隣で眺める。
矢巾も矢巾なりに、国見君の事を心配していたのであろう。
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作者名：ますだ | 作成日時：2023年10月25日 2時
