sleepy 13 ページ14
国見君にカーディガンを貸した翌日。
私は国見君のカーディガンを着て登校していた。
借り物だし、正直着るつもりはなかったが、いかんせん寒い。
それに、うちの高校は指定の物以外身に着けるとめちゃくちゃ怒られる。
反省文ものだ。
―――ガラガラガラ
建付けの悪い扉を開け教室に入ると
「おっす、はよ〜、、、ってなんだそれ。どうした。」
と最初に声をかけてきたのは矢巾。
「おはよ矢巾。なんだそれ、、、って、これの事?」
私の身長にしてはあまりにも不釣り合いな大きいカーディガンを指さす。
「あらあらあら、、、」
とニヤニヤしながら近づいてくる矢巾。
な、なんなの一体、、、
「ニヤニヤしてて気持ち悪いんだけど」
「Aにもついにねぇ」
「ほォ〜」と言いながら私の事を上から下までじっくりと見てくる矢巾。
恐らく、この男が想像している事はろくでもない事だ。
「言っておくけど、彼氏とかそういうのじゃないから」
「は?違うの?」
彼の反応を見る限り、私の予想は当たっているようだ。
「違います」
「なんだよ」
「つまんねぇな」とこぼす矢巾。
そっちが勝手に勘違いしてきたくせに、つまんないとはなんだ。
「これ、国見君のだから」
「は?国見の?じゃあなんでお前が着てんだよ」
以前矢巾には国見君の事で相談したこともあるし
こうなった以上、矢巾には説明をするのが筋だろう
「実は、、、、」
――――――――
――――
――
「なるほどね」
私から一連の説明を受けた矢巾は、納得したような表情を見せた。
「そういう事だから」
「まぁ俺は別に構わないけどさ、Aはいいわけ?
多分それ、周りに勘違いされんぞ」
「勘違いって?」
「一目で男物だってわかるし、彼氏ができたとかどうとか勘違いされるぞ。ってこと」
あぁ、そういう事か
「別にいいよ、実際は居ないんだし」
性格上、誰にどういわれようがあまり気にしないし。
言うならどうぞ勝手にと言う感じだ。
「そりゃまぁ男前な事で」
「ありがとう」
「褒めてねーよ」と言葉を残した矢巾は、自分の席についた。
私も鞄を置き、自分の席に着く。
そう言えば、国見君眠れたのかな、、
部活の時にでも確認してみよう。
その日は国見君の事を気にしながら学校生活を送ることになった。
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作者名:ますだ | 作成日時:2023年10月25日 2時