12 F ページ48
知らない間に大人になって、知らない間にびっくりするような色々な覚悟を決めて、剥き出しの心を俺に見せるA。
俺の家に上がったAは、少し緊張した面持ちで物珍しそうに辺りを見回している。
「太ちゃんの部屋って凄くお洒落だね」
「そう?」
「それにすっごく綺麗だし、どっかのモデルルームみたい」
「Aの部屋はいつも散らかってるもんな」
「そ、それは狭いからっ」
くすくすと笑えば、Aが顔を真っ赤にして抗議する。
「そういうことにしといてやるよ」
俺の部屋の匂いを一生懸命嗅いでいるAを見ているだけでとても愛しくなる。
胸がいっぱいになる。
「彼女...は来ない?」
「強引に押し掛けといて、今更それ訊く?」
「そ、そうだよね」
Aはソファーにあった黒いレザーのクッションに顔を埋めてしまった。
俺は寝室からベロア素材の白のスエットを持ってきてAに渡した。
「これ着替え。シャワーは浴びる?あ、さすがに下着はないよ」
「だ、大丈夫!あ、これ太ちゃんの服...?」
「勿論俺の服」
安心した表情で着替えを受け取り、Aが洗面所に走っていく。
Aの緊張がこっちにまで伝わってきて、俺まで落ち着かない。
キッチンの換気扇の下で煙草を咥えれば、自分の携帯電話が振動した。
『今日会えなくなったって何かあったの?』
彼女からのLINEだった。
『ごめん、ちょっと友達のピンチ。今からうちで話聞くから。明日の夜会おう』
煙を吐き出しながら返信すれば、すぐに『了解』と返ってきた。
俺が欲しいと言ったA。
他の男に初めて抱かれることが、太ちゃんに初めて抱かれることより、私の幸せだと思うなら大きな間違いだと啖呵を切ったA。
本当にそうなんだろうか。
これがAにとっての1番の幸せ...?
ふわりと香るシャンプーの香りにはっとして振り返れば、乾ききっていない髪のままで、バスタオル姿のAが立っていた。
「服は?」
「要らない」
「要らないって、お前なぁ」
俺はAの手を引き、リビングのソファーに座らせると、洗面所からドライヤーを持ってきて隣に座った。
「太ちゃん?」
「濡れたままだと風邪引くだろ」
Aの柔らかい髪を指で掬いながらドライヤーを当ててやれば、大人しく後ろを向くA。
俺はその白く華奢なうなじから目が離せなかった。
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ましろ(プロフ) - ayachokoさん» た、大したことない(爆)太ちゃんが独りで息巻いてるだけです(爆)(爆) てかそんな思い付かないですよねアクロバティックなこと← (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - ぐりさん» うわぁーもう半月経ってますね涙。ご、ごめんなさい;; しかもこの先、しばらくずっと話も動きませんが、どうかお付き合い下さいませヽ(;▽;)ノ (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ましろ(プロフ) - mamiさん» だいぶお待たせしてしまい本当にごめんなさいっ(土下座)体調崩して長期療養していて涙 ぼちぼち復活出来そうなので頑張りますね><。。 (2017年12月14日 9時) (レス) id: df578ce2f7 (このIDを非表示/違反報告)
ayachoko(プロフ) - すごいです、ましろさん…!!脇の下攻めるとかさすがすぎて(//∇//)私が知らない愛し方で啼かせて太ちゃんっ!←違う 自坦のハッピーエンドが少ないましろさんの作品。このお話はどうなるのか…ドキドキ(@_@;)続き楽しみにしてますっ(*≧∀≦*) (2017年11月30日 12時) (レス) id: b1988500b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぐり(プロフ) - もーう息苦しい!!ので、続きを!!どうかよろしくお願いしますー!!笑 (2017年11月28日 23時) (レス) id: ccfaf12877 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ましろ | 作成日時:2017年10月14日 16時