【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が三つ ページ5

A視点




………いや待て。待て待て待て。聞き逃しちゃいけない単語が一つあったぞ。




『引っ越し？引っ越しって何？』



「あー、横浜への引っ越し。丁度今原作開始のちょっと前ぐらいだから。

見たいだろ？間近で。」



『見たいけどォ！？違うんだよなぁ！私死にたくないんだよなぁ！

だってまだ達観できてないお年頃なんだもん！やだやだやだ！！』



「大丈夫大丈夫。儂の孫だって知られたらむしろヌルゲーだから。

人生イージーモードになるから。な？ていうか手続きもう終わったし」



『もう手遅れだったよド畜生ッッ！！』




なんてやり取りをしていると、おじいちゃんはふっと目を瞑る。




「あ、じゃあ儂そろそろ逝くわ………じゃあな、異能使って上手く生きろよ………」



『え？………いや嘘だろ本当に息止まってる！？やめて！死なないで！！生きろそなたは逞しい！！

いや嘘やん普通こんなヌルッと死ぬ！？まってまって私まだ肝心の異能の詳細すら知らないんだけど！

聞きたい事もまだやりたい事も沢山………お医者様ー！！何が何でも生かして下さい！祖父を！何としても！救って！下さい！』




しかし祖父は死んだ。嘘だろ。




もう祖父が死んだことに悲しめば良いのか、それとも爆弾発言だけ落として死んだことに怒れば良いのか分からない。

駄目だ………もっとシリアスになると思ってたのになんだコレ………脳が混乱してゆ………




………なんて混乱してるうちに葬式は終わり、何時の間にか引っ越しまで終わっていた。

やべぇよやべぇよ混乱極めすぎだろ私落ち着け………いやでも私の反応が正常だよね？




あ、因みに新しい家は言わずもがな洋風の高級マンションの一室です。前は大きい日本家屋だったから差が凄いよね。




………まぁ、好きな漫画の展開が起こる、正に聖地巡礼が出来る幸運なヲタクになった訳だし？

いっそ開き直るか！おじいちゃんの死は悲しめる時に悲しめばいいよね！

まぁ多分一時間後にはまた落ち込んでるけど。

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