【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が三十二 ページ34

A視点




来てしまった……




学校帰りの今現在、探偵社が入ったビルの前に突っ立っております。うわぁ。

原作やらアニメやらで散々見た光景を直で見れたことに感動すればいいのか、厄介ごとにならないといいなぁと祈ればいいのか。




私が遠い目をしているとビルの中に入ろうとしていたナオミちゃんが声を掛けてくれる。




「どうかしました？行きましょう、探偵社はここの四階ですわよ」



『あ、うん。………あのさ、ナオミちゃん。』



「？ はい」




私の言葉にこてりと首を傾げて不思議そうに返事をするナオミちゃん。

あざとい！ぎゃんかわ！！こりゃ谷崎兄による神扱いも納得ですわ！！




『いや、一応言っとこうと思って。私ナオミちゃん以外の人にめっちゃ猫被るからね。』



「あ、それは知ってますわ。私に対する態度というか接し方が大分変わってきてますし。

初対面の人とうまく話せない結果ああなるタイプでしょう？なんとなくわかりますわ。」



『ナオミちゃんの察する能力と理解が高すぎてそういうところ本当に好き………』



「あら、褒めても何も出ませんわ。」




トゥンク、と心臓が高鳴る。ここが少女漫画の世界だったら確実に惚れてた。ていうか惚れた。

『ナオミちゃん本当にちゅき………』「私もAさんのことが大好きですわよ」というナオミちゃんのイケメン度が実によくわかるやり取りをしながら、遂に探偵社が入っているフロアまでたどり着いた。

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