【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が二十九 ページ31

A視点




捲った本の頁の文字を薄目になりながらちらちら見る。




「その箱はな、名付けて“お祓い箱”。良いネーミングセンスしてるだろ？な？」




お払い箱とお祓いをかけたようだが全く面白くない。




私は息を吐いて立ち上がり、キッチンに行って明日の朝ご飯にする為の豚肉をズタズタに引き裂いて来た。

こうすることでメンチカツは美味しくなるのである。他意は無い。

朝御飯にメンチカツは重いし手間がかかるが唐突に食べたくなったのだ。他意は無い。




私は目を抑えてもう一回本の前に座り、口の中からベロンと剥がれた溜息の音を聞き流す。

そしてまた本当に本気と書いてマジと読む嫌な気持ちになりながら、目を抑えている指の間から本を覗いて読む。




「さて、儂の有難味に溢れるギャグでお前のビビりを緩和させたところで。」




この文を読んでメンチカツを追加した。食べたかった以外に他意とか全く何もない。




「やっとその箱の説明に入ろうと思うんじゃが、まぁ言ってしまえば召喚箱的な？

開いたらその時に必要な物が大体出て来るぞ。便利だろ？ん？

ただしご利用は計画的にしないとなんやかんやでヤバいぞ☆」




『あッッッのクソジジイ！！！速やかに氏ね！！！！』




なんだこれ。超絶便利かと思えば一番書いて欲しい所とか副作用とかが書かれてない。

なんだこれ。何度でも言うけど何だコレ。は？いやマジで何？なんなの？は？は？？

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