【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が二十八 ページ30

A視点




戸惑っている内にまた銀色の箱が戻って来たので、私はビビりながらもスリッパの先でつんつんと銀色の箱を突いてみる。

明らかに異能の産物なんだけど、これ、えぇなんかしなきゃダメかなぁ………放置ＮＧ？




私は心を落ち着かせる為にキッチンに立ち、和食を作り、食べた。因みに夕飯。

そしてお風呂に入り、風呂上りに化粧水と乳液を始めとした色々なスキンケア用品を肌に塗りたくる。




そして銀色の箱と再び向かい合った時には、本も戻ってきていた。




『ああぁぁぁぁぁあああ゛あ゛あ゛嫌だなぁぁあ゛あ゛！！私見るのすっごい嫌！

なんでこんな明らかに地雷みたいなのに触らなきゃいけないかな！

触らぬ神に祟りなしって諺あるのに！ハーッ本当に嫌！マジで嫌！誰か助けて！！』




とか叫びながら本を捲る。最早それ以外に選択肢は残されていないのだ。現実が非常過ぎていとわろし(好ましくないの意)。




私は何度目か分からない展開の中、本を捲った。




「ビビりな儂の孫の事じゃから、その銀色の箱の事を一番に知りたがっていると思う。

そうあたりを付けて話進めるんでヨロシコ。別に気になって無かったら飛ばしてな。」




その文を読んで、いやそんなことはじめっから言われずとも判ってんだよ早く書けよ、と苛立つ。

ビビりって分かっててビビる様なもんを残していくあたりも本当にムカつく。

判ってるんなら自主的にやめろよ、と無言の腹パンを入れた上で塵屑を見る様な眼をしながら言ってやりたい。




だが、哀しいかな。私はあのクソジジイの現在位置すら知らない。そんなことは夢のまた夢である。クソが。

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