【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が十四 ページ16

A視点




私が十三番目の階段を上った死刑囚ような心持ちで悟り顔をしていると、中原さんが話しかけて来る。




「俺は手前をただの世間知らずのお嬢かと思ってたが、この状況でも澄ましてるってのはやるじゃねェか」



『きっと遺伝です。あの話が真実だったのなら、祖父も大変な人物だったようですから。

それにこれでも驚いてますから。祖父に言われた通りに横浜に来たら、随分と刺激的な一日が送れたものですので。』



「言うじゃねぇか」



『褒めてますよ。』




私は一体何を言ってるんだ………？




マフィアを！煽っちゃ駄目でしょ！子供でも分かるでしょ！！

本当に私は何を言ってるんだ！馬鹿！本当に莫迦！！

前世と合わせて中原さんの倍ぐらい生きてる癖に本当に莫迦！！




いや、もういっそのこと逆に考えるんだ私………逆に、この役に入り込んで厨二ごっこでもしてやろう、と………




よし、その考えだったらなんか行ける気がする！そうしよう！うん！




『それに、焦っても良い事なんてありません。焦りは様々な物を殺します。

明鏡止水を心得よ、と常に祖父は申しておりましたから。』



「それを実行できるってのは大したモンだな、言われてもそうそうできるもんじゃねぇ。

その上あの伝説の孫と来た。マフィアに欲しいぐらいだぜ」



『光栄です。』




マフィアとか冗談じゃないやめてくれ。いや冗談だったのかな？というか冗談であってくれ。

兎に角、私はまだ死にたくないから………死にたくないから………




あと厨二ごっこは流石に無理だったぜ………当たり前すぎる………

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