【文スト】転生して気付けば手遅れでした()【勘違い】

愚痴が十一 ページ13

A視点




なんて心の中で荒らぶりつつ、顔を手で覆って伏せたままの状態を変えるに変えれないまま若干震えている声で私は問う。




『祖父が、貴方にですか？』



「左様。あの方には一生を掛けても返せぬ程の恩がある」




やだ〜〜！！！！お祖父ちゃん福沢さんに「あの方」とか言われちゃってる〜〜〜！！！！！

尊敬度ガチもんじゃないですかヤダー！いやもう本当にヤダー！！

あの話嘘であって欲しかった！老人の妄言であって欲しかった！！つっら！マジつっら！！




私は恐る恐る顔を上げて福沢さんの方を向く。美しい福沢さんのお顔があった。涙が出た。

はーいこれで一厘の希望も無くなった！もう社長って確定した！！はーつっら！！




『………確かに、祖父は今際の際に言っておりました。横浜には昔の知り合いが大勢いると。

けれども妄言とばかり。葬式にも誰一人としていらっしゃいませんでしたから。』



「それは私達の事で間違いないだろう。私達は葬式には参列を許されていなかった。

勿論、隠居後に会いに行く事も緊急時以外は禁じられていた。完全に過去を断ち切る為だと申されていた。

………西園寺殿は、最後に………私達について何か言っておられたか。」



『………皆様の事を褒められていました。そして、信頼も置いていたのだと思います。

ですから私を住み慣れた故郷から離し、横浜へと送ったのかと。』




捏造多めの話だけど信じて………いや真実も多めだけど………お願いします嘘も混じってるって気付かないでください………




そう願う私の心が通じたのか知らないが、社長は「そうか」と言いながらふっと嬉しそうに笑う。

よっしゃその場しのぎ成功！やったぜ！！

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