55話……です ページ10
声を発する度に鋭くなる声色
貴「お前､俺に感情移入してるだろ｡だらそんなことが言える」
Aの一言に今度は猿飛が目を大きくした
が､すぐに表情を戻した
猿飛「忍が他人に感情移入する何てあり得ない」
貴「なら､何故主を放ってここにいる」
猿飛「……っ」
言葉に詰まった
確かにそうなのかもしれないと＿＿
事実､自分は彼女の前にいる
以前の自分はこんな事しなかったはずなのに
この事実は忍である猿飛がAに興味を持っている事に他ならなかった
貴「頼むから……自分を追い込むような生き方はしないでくれ」
日が傾き始めている
水面にキラキラと反射した光が彼女の無機質な白い肌に写りこむ
Aの声音は心配するように優しかった
しかし､ゆっくりと振り返ったAの表情は“無”
目には闇を写した様に真っ黒だった
その異端な光景に猿飛は恐怖を覚えた
否､恐怖しかなかった
瞬間ドクリ､心臓がうねるように脈を打った
息が苦しい冷や汗が頬をつたう
ドクン……ドクン……
猿飛「……ぁっ！！」
視界が揺らいだ
意識が遠ざかる
Aが何かを言っている
猿飛(何て言った……なにも聞こえない！！)
多分自分にとってとても大切な事を言っている
必死に意識を保とうともがいているが､それすらも叶わない
苦しみもがく猿飛をあざら笑う様にAは口角を引き上げた
猿飛「……っ！！」
貴「なあ………猿飛」
.
猿飛「……ぅそ」
目の前に不適に笑う自分がいた
貴/猿飛？「こんな生き方､不毛だとは……思わないか？」
その言葉たげが鮮明に聞こえた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿
猿飛「〜〜っぁあ！！」
ガバッ
猿飛「ハッ…ハッ…此処は……」
猿飛が起きたのは布団の上だった
見馴れない部屋に一瞬ビックリするが､すぐに宿だと気付いた
猿飛(あれ…俺様どうして……河原でAの旦那と話して大将達が戻ってきて……)
混乱した額に手を置くとジットリと汗をかいていた
猿飛(駄目だ…夢と現実が曖昧になってる)
ふと､障子がうっすらと開いているに気が付いた
幸い今は夜らしい
障子の隙間から月が覗いていた
＿＿ｯ
猿飛(うん？誰だこんな夜遅くに話しているのは)
＿＿＿｡
＿＿､＿＿＿｡
声の基は外からだった
気配を消してそっと外の様子をうかがう
猿飛(ん？檜佐木の旦那と………)
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梗谷(プロフ) - またまたコメントありがとうございます！！和んで頂いてよかったです！幸村様可愛ですよね(*´∀｀)戦の時とのギャップがまた好きなんです！ (2016年6月28日 16時) (
レス) id: c7e9fbbed0 (このIDを非表示/違反報告)
百久一目(プロフ) - 幸村氏が…迚頗るとびきり目玉が飛び出るほど、いや、この場合目に入れてもいたくないほど、可愛いです。 そこで破廉恥だって叫ぶ時点で幸村氏ですねー(和み和み) (2016年6月28日 12時) (レス) id: 421761368c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒城 | 作成日時：2016年6月23日 20時
