53話……です ページ8
貴「それじゃあ、ここから西にある川原にいるから、終わったらそこに来い」
前田のせい?で人酔いが悪化したAは、人が少ない川原で休憩する事になった。
猿飛「わかった。気を付けてよ!」
Aの奢りという話だったため、団子代を渡たれた猿飛は、フラフラと人の並みに消えていくAの背中を見送ってから、前田を加えた三人で団子屋を目指す事となった
前田「いや〜しかし、Aがこんな人混みの中、ここまで来るなんて珍しいねぇ」
真田「そうなので御座るか?」
キョトンと真田は不思議そうに首を傾げた
ちなみに猿飛とAの手によって前田の『ちゃん』付けは止めさせられた
前田「 Aは人より五感が良いんだ。特に目と鼻と耳が良い」
目、鼻、耳と順番に指差していく前田
前田「いろんな物がある町中じゃ、臭いとかで酔っちゃうんだよねー」
猿飛(それで人酔いか……)
真田「何故、酔うのであろう?佐助も鼻が良いが酔った所を見たことないぞ」
猿飛「俺様より旦那の方が嗅覚が上だし、制御できないからでしょ。」
真田「忍の佐助より嗅覚が優れているとは、なんたる武人!流石A殿!!」
猿飛「制御できてないんじゃ意味無いけどね」
真田「何て事を言う!!A殿も大変苦労しているのだぞ!」
猿飛「あ〜ハイハイ」
適当に真田をあしらう猿飛の影が少し揺らいだ気がした
・
フラつく体を酷使し、Aは川原に崩れるように座り込んだ
心地よい風が肌をかすめていく
貴「お前は団子食べなくていいのか?」
ザクリと砂利を踏む音と人の気配
?「俺様は団子には興味ないからね。因みに真田の大将には分身がいるから大丈夫」
貴「抜かり無いな」
猿飛はそっとの隣に腰を下ろす
何を話すでも無く、静かな時が流れていく
猿飛がおもむろに口開いた
猿飛「旦那は五感が敏感なんだってね。前田の風来坊が言ってたよ」
貴「全く彼奴は…何でも喋りやがって…」
ほんの少し眉根にシワが寄る
殆ど無表情なAだがよく見れば少しだけ顔に出る
猿「心配してるんだよ。風来坊なりにね」
貴「面白がっているだけだろう」
猿飛「……」
貴「……」
二人の間を風が吹き抜ける
猿飛「あんた、死ぬのは怖くないのか」
唐突な質問だった
それでも彼女は表情一つ変えない
貴「怖いとは……もう思わない。今はもう、死んでしまっても良いと思ってる」
それ故、その身が傷つくことへの恐怖も、戦への恐怖も無いと彼女は言いった
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梗谷(プロフ) - またまたコメントありがとうございます!!和んで頂いてよかったです!幸村様可愛ですよね(*´∀`)戦の時とのギャップがまた好きなんです! (2016年6月28日 16時) (レス) id: c7e9fbbed0 (このIDを非表示/違反報告)
百久一目(プロフ) - 幸村氏が…迚頗るとびきり目玉が飛び出るほど、いや、この場合目に入れてもいたくないほど、可愛いです。 そこで破廉恥だって叫ぶ時点で幸村氏ですねー(和み和み) (2016年6月28日 12時) (レス) id: 421761368c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒城 | 作成日時:2016年6月23日 20時