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78話……です ページ33

何とも息がピッタリな二人を見ていた真田はふとある事に疑問を持った

真田「A殿は飯は食さぬので御座るか?」

確かに長曾我部の間に座るAの膳は用意されていない

箸は一応用意されているが手をつける様子は無かった

その疑問に答えたのは長曾我部

元親「さっき聞いたら昨日飯食ったんだと」

真田「?」

頭に疑問符を浮かべる真田

それを見てAが周りに理解されていない事を悟った長曾我部は困った様に頭を掻いた

元親「あー、こいつ昔から三日に一回しか飯を食わねぇんだ。戦の時は別らしいがな」


長曾我部がおひたしを摘まんだ箸をAの口元に持っていく

プイッ

元親「ほらな?こうやって顔を背けんだよ」

真田「なんと!?飯を食わねば力が出ませぬぞ!」

驚く真田にAは冷静に答える

貴「腹が減るのが三日後なだけで無理に食わぬ訳ではないのです」

元親「無理に食わすと吐くしな!」

貴「おい!」

ニヤリと笑う長曾我部に余計なこと言うなと目で訴える

それに気付いた長曾我部は誤魔化す様にワシャワシャとAの頭を撫でた

真田「お二人は仲がよろしいで御座るな。昔からの間柄で御座るか?」

元親「そうだなぁ…昔馴染み??幼馴染み?まあそんな感じだ」


Aは長曾我部の手をはね除けて髪を整えるとふと襖に目を向ける


元親「どうした?」

Aの異変に気付き、目線を襖に向ける

襖はすぐに開かれた

そこには一人の兵士がいた

兵士「お食事中失礼します」

貴「何事だ」

兵士「御報告申し上げます!先程、中国地方の毛利元就様が大阪城に御入城されました」

真田「毛利殿が!?」

元親「……」

報告を聞いたAはスッと長曾我部の胡座から立ち上がる

元親「A……」

心配そうに見つめてくる

いつの間にか腕を捕まれていた

貴「挨拶してくるだけだ。飯食ってろ」


それでも手は離れない

貴(どうしたものか…)


握る力は強くなる一方で離してくれる様子もない

貴「なあ元親、大丈夫だから。もし何かあったらお前が助けてくれるんだろ?」



長曾我部side

元親「はぁーー」

真田「長曾我部殿?」

何も言えなかった

元親(あんな事言われたら引き下がるしかねぇだろ)

浮かぶのは先程の少し困ったAの顔

別にAを困らせたい訳じゃない

ただ傷つく姿を見たくないだけ__



元親(俺のが絶対にAを大切にできるのに……)

不貞腐れる長曾我部


その時、男の怒鳴り声が広間まで聞こえてきた

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梗谷(プロフ) - またまたコメントありがとうございます!!和んで頂いてよかったです!幸村様可愛ですよね(*´∀`)戦の時とのギャップがまた好きなんです! (2016年6月28日 16時) (レス) id: c7e9fbbed0 (このIDを非表示/違反報告)
百久一目(プロフ) - 幸村氏が…迚頗るとびきり目玉が飛び出るほど、いや、この場合目に入れてもいたくないほど、可愛いです。 そこで破廉恥だって叫ぶ時点で幸村氏ですねー(和み和み) (2016年6月28日 12時) (レス) id: 421761368c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒城 | 作成日時:2016年6月23日 20時

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