真っ赤な石 ページ13
Aの部屋
小さな箱を開けた。
中に入っていた赤い石は真っ二つに割れている。
変わった石で宝石のように輝いているのに。
斎藤「A。」
部屋の外から一くんの声。
A「いいよ。」
振り向くと一くんが入って来た。
今度はきちんと声をかける律儀な一くんに思わず笑ってしまった。
斎藤「何か可笑しいことが?」
不思議そうにしている様子に癒やされる。
A「律儀だなと思って。」
箱にふたをしていると一くんに背中から抱きしめられた。
斎藤「Aは総司のことが?」
A「分からない。」
女は捨てたつもりだったから。
一くんが私の肩にあごをのせた。
斎藤「Aは先程また泣いていた。」
一くんは本当に優しい。
A「だめだよね。情けない。」
斎藤「皆分かっている。泣く位構わないと思っているはずだ。」
箱をまた開ける。
A「ありがとう。この石、従兄弟のお兄さんに貰ったの。従兄弟がここに来たのは、お兄さんが亡くなったから。」
斎藤「割れてしまったのか。」
A「うん。さっき見たら割れてた。」
斎藤「辛いなら泣けばいい。」
一くんが腕にほんの少し力を入れる。
A「平気。長くないのは知っていたし。」
あの人は私以外の鬼を妻に迎えた。
私の片想いだった。
斎藤「A。」
一くんが名前を呼ぶから振り向いた。
私の頬に優しくふれる指先。
もう泣くつもり無かったのにまた涙が頬を伝った。
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 楽しみです。 (2014年5月16日 19時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
真夜(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» がんばります(^_^ (2014年5月16日 18時) (レス) id: 6ff2ecb68e (このIDを非表示/違反報告)
真夜(プロフ) - あっちゃん25さん» ごめんね!!大丈夫ですよ(^_^ (2014年5月16日 18時) (レス) id: 6ff2ecb68e (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はい。楽しみです。 (2014年5月16日 7時) (携帯から) (レス) id: 29bc6add98 (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん25(プロフ) - そのお言葉を聞いて安心しました。。。 (2014年5月16日 7時) (レス) id: 2be9d3c16a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マヨ | 作成日時:2014年4月7日 18時