計算1 ページ2
*
「あ」
「あ」
目が合って同じことを言った。
ここは駅のホーム。赤葦京治と白島Aは高確率で登下校が“たまたま”一緒になる。
Aは心の中で口角を上げる。
「おはよ、赤葦」
「おはよ白島」
「最近部活どー?」
「まあまあ。大会近いから木兎さんがかなり興奮してる。余計うるさい」
「あー、あの髪の毛立ってる凄い先輩か。」
「白島は?」
「私は大会終わったし皆ちょっと気が緩んでるかなー。五日市先輩がそろそろキレそう」
「あの眼鏡の怖そうな先輩だよね」
「そーそー。」
談笑をしながら朝から赤葦と居られるという幸福を噛み締めるA。
わざわざ落し物して職員室に行って、
落し物BOXの隣の部活日程表からバレー部の朝練の時間調べて、
赤葦が鍵当番だったことと、
赤葦が10分前行動心がけてることと、
今日の電車が単純計算で朝練の15分前に学校に到着する便と30分前に到着する便があって
赤葦が部活で遅くなるから登校前に都立図書館の返却BOXに寄ることを配慮した上で30分前の便に乗ることを推測した甲斐があった。
ストーカーじゃなくてこれ調査だから。
もう1回言うけどストーカーじゃないから。
こんな滅茶苦茶な思考を持っていても、表面では適度な笑顔のままAは赤葦と雑談を続けている。
「あ、電車来るね」
「白島黄色い線から出たらだめだよ」
「押さないでよ赤葦」
くすくす笑うその赤葦の純粋な笑顔を見て、Aはまた1つ幸せを手に入れるのだった。
*
81人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナイトメアリー(プロフ) - ?さん» 具体的な感想ありがとうございます!続編、検討している次第です!お待たせすると思いますがもし出した時はよろしくお願いします!閲覧ありがとうございました!! (2019年7月3日 20時) (レス) id: 74bf89e857 (このIDを非表示/違反報告)
? - 赤葦くんが夢主ちゃんよりも先読みしている辺り本当に好きです。続編を是非とも検討してほしいです (2019年6月25日 21時) (レス) id: a497a08f11 (このIDを非表示/違反報告)
ナイトメアリー(プロフ) - まなペチーナさん» ありがとうございますっ!!細かい感想とお褒めの言葉、本当に嬉しいです!続編、短編ではありますが構想を練っているので、完成したら是非見て頂きたいです!閲覧ありがとうございました! (2019年5月12日 19時) (レス) id: 74bf89e857 (このIDを非表示/違反報告)
まなペチーナ(プロフ) - とても面白い……。お互いに計算しているのがまたたまりませんね!2人がくっついたあととか告白とかいろいろと見てみたくなってしまいました!素敵な作品をありがとうございます!応援してます! (2019年5月12日 14時) (レス) id: 7ed285082a (このIDを非表示/違反報告)
ナイトメアリー(プロフ) - ゆゆさまさん» ありがとうございます!!そう言って貰えると続編創作意欲が湧いてきます、嬉しいです!ただいま掛け持ち三つあるのでまた短編と言う形になると思います。嬉しいコメントありがとうございました! (2019年5月11日 8時) (レス) id: 74bf89e857 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ