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奏でよう44 ページ46

あたりを見回すスバル

そこにはずっと探し求めてたひとつの星の煌めきがあった

冷え冷えとしてみえるが不思議なぬくもりのある光

無言でスバルの見た方向にたっているのは

『Trickstar』の専用衣装を着た北斗だったほ


スバル「北斗、お前、なんで・・・・・それ、『Trickstar』の衣装だろ?
『fine』に生徒会長の仲間になったんじゃなかったのか?」


北斗「すまない」

北斗はふらふらとスバルに歩み寄った


北斗「もう俺に、この衣装に袖を通す資格は無いかもしれないが
転校生に連絡して、衣装の保管場所を教えて貰った
大急ぎで着替えてきたが、決断するのが遅くなってしまって―――――
決勝戦までに準備が終わるかどうかは、賭けだったのだが」

まだ、北斗の心は『皇帝』に呑み込まれていなかった

まだ、『Trickstar』のなかにあったんだ

北斗は息を整えていた


北斗「準決勝が長引いたおかげで、どうにか間にあったようだ
俺は日頃の行いが良くないはずなのだが、たまに幸運に恵まれる」


スバル「いや、そういうことじゃなくてっ?
そうじゃなくてっ?あぁもう!」


英智「それが君の答えかい、北斗?」


北斗「信頼を裏切ってしまい申し訳ない、生徒会長
だが裏切りは、芸能界では日常茶飯事なのだろう?」


英智「これは一本取られたね、とでも言うと思ったかい?
馬鹿だね、自ら茨の道を選ぶなんて・・・!僕は、少年漫画にでてくるような都合のいい悪役じゃない
現実的に、君の判断を処理する
きっと、君は後悔する、ご両親も、さぞかし哀しむだろうね」


北斗「両親は関係ない、あんたは俺の両親に手を回し、俺を縛りあげようとした
ご丁寧なことに、あらゆる手段を尽くして俺を飼い殺しにしようとしたんだ
あんたは芸能界の重鎮たる天祥院財閥の、御曹司だ
俺の両親も、意のままだっただろうあんたに従うことが俺のためになるって、両親は考えるだろうしな」

マイクが通ってない為何の話をしているのかは分からない

だけと、『皇帝』のやり口は何となく分かっていた

北斗は真面目だから、周囲の期待にも親の期待にも応えようとした

だけど、それらを振り切ったのかな


北斗「俺は正直、たったそれだけで身動きがとれなくなった
これまで、両親に逆らったことはなかったからな
けれど、友を裏切るのとで両親に認められて、褒められても嬉しくはない
ずっと欲しかったものを俺はこの夢ノ咲学院で既に手に入れていたのに
俺はそれを、危うく手放すところだったんだ」

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作者名:藍姫 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=maruyamarika  
作成日時:2018年9月1日 21時

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