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「で!何があったの?大好きな真菜ちゃんに彼氏でもできましたか?」

苛立った様子で訊ねてくるころん。俺はうるさいと言わんばかりにこいつのベッドを殴った。

「そんな赤ちゃんみたいなことしてもわかんないから!!」

全くの正論だ。
俺はゆっくりと顔をころんに向ける。俺の鼻から枕に一本の糸が引かれ、ころんがウゲッと顔をしかめた。

「園芸部に男増えてて・・・真菜ちゃん楽しそうで・・・ムカつくし・・・真菜ちゃんが好きなのに・・・アプローチ全然うまくいかないし・・・先走って・・・キスしたら・・・泣かれたし・・・」

先程できたばかりの傷が抉られる。
キスして泣かれるとか脈なさすぎてつらい。

そこは普通、顔を赤らめて意識し始めるとか、むしろ付き合うきっかけでもいいんじゃないの?

うだうだ頭の中で文句を並べる俺に、ころんはやれやれとでも言いたげにため息をついた。

「あのさ、さとみくんは好きでもない女にいきなりキスされたらどう思うわけ?」

「・・・無理」

「はい、そういうこと」

俺はぎゅっと枕を握りしめた。

もっとオブラートに包めよ!!

知ってるよそんなこと。真菜ちゃんが俺のこと好きじゃないのも、眼中にすらない上に変なやつだって思われたことも。

9年間ずっと見てた。そのうち彼女と何回目があった?何回言葉を交わした?

ずっと話したくて、触れたくて、我慢してたんだ。
健全な男子高校生じゃなくても爆発したっていいだろう。

「・・・とにかく謝りなよ。このままだと軽くて不誠実な男になっちゃうよ」

「・・・ん"ーー!」

ころんの真面目な答えに俺はまた拗ねた幼児のように返事をした。

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まるたちばな(プロフ) - らるこさん» そうですね。明ちゃんにとっても主人公は大切なお友達であるので、守ってあげたいんですね。これからも何回かモヤモヤ出てくると思いますが、よろしくお願いします笑視線についてはすぐ明らかになります (2021年1月31日 12時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
らるこ(プロフ) - 主人公の友達、相手を思っての行動なんでしょうけど、これまでの桃くんと主人公のやり取りを知ってる上で見るとモヤモヤしますね……。視線のことも引っかかりますね。ううん、続きが気になる! (2021年1月31日 0時) (レス) id: bfd6a96e81 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 推しの幸せはファンの幸せでもありますからね。悲しませたくないな... (2021年1月30日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - 緋彩さん» いつかそういう日が来たら楽しそうですね。彼らが活動だけでも楽しいならそれはそれで嬉しいですし、幸せでいてくれたらファンとして最高です^^* (2021年1月30日 0時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - まるたちばなさん» 照れながら話してるの見てみたいですよね!コメ欄が「可愛い!」で埋め尽されるのが目に見えますwww (2021年1月29日 9時) (レス) id: d35532515e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/  
作成日時:2021年1月9日 12時

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