。*Give me the awake*。1 ページ1
.
「赤葦ぃ…もう無理です…」
「『勉強教えて！』って俺の家に上がり込んできたのは誰だっけ」
「はいすみません私デス」
彼の部屋のデジタル時計を見ると
その画面には23:47と映し出されていた。
確か彼の家に上がり込んだのは20時くらいだったはず。
頭が痛くなるのも無理はない。
「ふぁあ…」
「…眠い？」
「ん…そりゃ時間も時間だから…」
でもテストは明日だから！と意気込むけれど
「…もう当分数字見たくない」
「明日は嫌というほど見るけどね、テストで」
「いやぁぁぁ…」
参考書を見ると数字、
ノートを見ると英語、
教科書を見ると漢字、と
もう本当頭痛くなってきたしなにより眠い。
「あ〜…瞼が重い…寝たい…でもテスト…」
眠い。いや勉強しなきゃ。いやでも眠いんだもん。
そんな無駄な葛藤を繰り返していると
机を挟んで私の正面に座っていた赤葦が立ち上がった。
「…あか、あし…？」
「ねぇ、Aは何がほしい？」
「……え？」
私の隣に移動して、柔らかく笑ってそう問う赤葦。
何がほしい…って？
意味がわからなかったけど、
なんだか眠たさとその場の温かな空気で、ほろりと口から言葉が零れた。
.
「…赤葦が、ほしい」
恥ずかしい、とか
そんな気持ちは少しあったけど
でも、この睡魔の勢いでもうどうにでもなってしまえと思った。
素直に、言っただけだし。
「…眠気覚まし、ほしい」
「何がほしいって言ったっけ？」
赤葦、楽しんでる。
だって表情が子供みたいなカオだもん。
「…赤葦」
「ん？聞こえないけど？」
あぁ、もう。
.
「…赤葦、ちょーだい」
「……いいよ、あげる」
ねぇ、君がほしいの。
知ってる？
人はね、眠たくなると甘えたで寂しがり屋になっちゃうの。
だから、私を、私だけを
その瞳に写して、愛して。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 21人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ボカロファン - なんか自分の名前入った瞬間が…ぐわああああってw (2020年12月15日 22時) (
レス) id: e280a1594b (このIDを非表示/違反報告)
明花ーめいかー(プロフ) - 言ノ葉さん» 良かった…嬉しい…笑 なんかコメント返さないと申し訳ないなぁって思ったから笑笑 (2018年3月24日 9時) (レス) id: 4be523f4d8 (このIDを非表示/違反報告)
言ノ葉(プロフ) - 明花ーめいかーさん» 甘い作品が初めてなんて思えないぐらい甘かったよ！コメント返すことにしたんだね笑 (2018年3月24日 8時) (レス) id: 70bd25ffca (このIDを非表示/違反報告)
明花ーめいかー(プロフ) - 暁月ニルさん» そのように言っていただいてありがとうございます！！赤葦さんでの甘い作品は初なので色々不安でしたが…汗 (2018年3月24日 8時) (レス) id: 4be523f4d8 (このIDを非表示/違反報告)
明花ーめいかー(プロフ) - koronnさん» 扱いの上手さが紳士さを引き立たせますよね…！紳士な赤葦さんを表現できていたら幸いです！！ (2018年3月24日 8時) (レス) id: 4be523f4d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明花ーめいかー
| 作成日時：2018年3月22日 22時
