最初で最後の口づけを-6 ページ36
アルファにはアルファのフェロモン、オメガにはオメガのフェロモンが常に放出されている。勿論ヒートを引き起こす程のものではないが、アルファとオメガのバース性を持つものならばそのフェロモンから相手がどの性かは感覚的に分かるのだ。
ベータは更に微量のフェロモンを放出している。元よりアルファであり、体質としてフェロモンに敏感な鬱をして微かに香る程度ではあるが、それでも分かる。
だというのに、目の前の青年からはまるでフェロモンを感じない。ベータであっても感じられる筈のフェロモンでさえ、青年からは放出されていないのだ。
その言葉に琥珀は動揺した様子は見せず、にこにこと笑みを浮かべるだけ。
「抑制剤が効き過ぎたのかもしれませんね。アルファの方々と会うのですから、失礼の無いように、と」
「ふーん？」
「何ならバース診断の結果をお見せしましょうか？ この診断は如何なる場合においても改竄は不可能ですし」
「……でも、それにしたって無さ過ぎる。普通、ベータであろうと微量のフェロモンは放出されている筈なんやけどなあ」
目を細めて、そこら辺どうなん？ と聞けば、琥珀はくすり、と笑ってから、口元に手を当てた。小さく浮かべられたその笑みは、僕と同じく苛立ちが表れているように感じた。
「失礼、ミスター鬱、で宜しいですかね。それ以上は、バースハラスメントと捉えられてもおかしくはありませんよ」
ひくり、と口元が引きつる。やっぱこいつ僕と同類だ。滅茶苦茶に腹が立つ。
「……ああ、それはすみませんでしたねえ。いやあ、あんまりツレないもんで、ちょっと意地悪したくなったんですよ」
「おや、アルファの方からそう言われると期待してしまいますね」
「期待してくれるんですか、それは光栄。なんなら僕は今夜貴方と一緒に夢を見ても宜しいのですけれど」
「お誘いは嬉しいのですが、仕事が忙しいので」
「それは残念。ではまた今度」
「はは、ありがとうございます」
全くといってよろしくはしたくないが。
大体僕は硬い筋肉を揉む趣味は無い。抱くならバース性関係無く女の子が良いに決まっている。柔らかいし何よりも女の子は可愛い。
相手も僕の本音には気付いているのだろう、今の会話の間も全くといって表情を変えたりはしなかった。
ポンポンと交わされる会話にグルッペンは何を面白いのかくつくつと笑っていた。
「おやおや、随分と打ち解けたようで何よりだ」
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もちもち(プロフ) - リンゴリンさん» コメントありがとうございます。投稿滞ってて申し訳ねえです、はい。面白いなら何よりです。ありがとうございます、頑張りますー！ (2020年4月14日 15時) (
レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴリン - utchi面白いです！chi受け最高です！！これからも、がんばってください！Ｏ(≧∇≦)Ｏ (2020年4月13日 21時) (レス) id: 6776d558db (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - ぽっぽさん» やったぜコメントありがとうございます。めんつゆ君は良いぞ……詐欺師組は良いぞ……完全に私得なだけの物語しか置いてないので喜んでもらえたなら嬉しいです。これからもよろしくお願いしますー！ (2020年3月17日 11時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽ(プロフ) - Oh....めちゃ好きです...私得やあ....(めんつゆ君推し) (2020年3月17日 7時) (レス) id: 7f95ff817f (このIDを非表示/違反報告)
もちもち(プロフ) - まうるもちさん» あ、コメントまたありがとうございますー！語彙力と無駄がない表現だけが取り柄ですので(｀・∀・´ )情緒とは(ゲンドウポーズ)。コメントありがてえありがてえ、これからもよければよろしくお願いしますですー。 (2020年3月15日 11時) (レス) id: cd13c32878 (このIDを非表示/違反報告)
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