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朝、いつも通り裏山でランニングなどのトレーニングをする。別に夢の内容を真に受けている訳じゃ無かったけど、とりあえず祠も軽くお掃除して、ついでにお祈りをしておいた。
『日々健やかに過ごせますように、と』
何も起こらない。少し不安だった私は安堵の息をついた。
ただの夢みたいだ。体も元気だし。
『でね、余命1週間だ〜とか言われたんだよ? 酷い夢だよね』
三之助「夢の内容ってこんな覚えていられるもんだっけ」
作兵衛「まぁ、Aだからな」
『え、何か失礼なこと考えてない?』
朝ごはんを食べながら夢の内容をみんなに話す。夢の中で余命宣告だなんて、馬鹿馬鹿しくて信じる者はいない。
孫兵「それで夜中に目が覚めたんだね」
『うん、だから授業中寝ちゃうかも』
左門「いつもじゃあないか」
もう、みんなして私のことをからかうんだから。確かに2割……いや、3割くらいの授業は寝てるけどさ。
数馬「でも、もうすぐ死んじゃうとしたらすっごく悲しいなぁ。僕たち、こうして3年間一緒に過ごしている訳だし」
藤内「そうそう、Aには予習にも付き合ってもらってるし、作法委員会も一緒にやってきたんだから。」
『数馬……藤内…………』
う〜、は組にはいい奴しかいないのかな。思わず食堂なのにハグしちゃう。藤内も数馬も私を癒してくれる。はぁ、軽率に好きだ…………。
「またAがくっついてら」
近くを通りかかった三年生男子が、馬鹿にしたように言いながら通り過ぎる。イラァ……となった私は顔を上げて舌を出してやった。
藤内「その……まぁ、A、こういうことはもうしないってこの前言っただろ?」
見ると藤内は少し顔を赤くして、恥ずかしそうに顔を逸らしていた。そうでした、3日前くらいにも同じことがあったのでそういう約束をしていたのでした。
『だって、みんなとくっついていたいんだもん……』
急にそんなこと言われたら、寂しくて仕方がない。けれどみんなを困らせるのは嫌で、私は渋々体を離した。
最近、同じ忍たまと言えどもみんなとの間に溝を感じる。この溝は、私たちが大人に近づくにつれて深くなっていくのだろう。だから、ちょっとだけ、大人になんかなりたくないと思うこともある。
作兵衛「Aはまだまだ子供だから仕方ないか」
左門「寂しがりだからな、仕方ないさ」
『いや、歳変わんないじゃん』
何はともあれ、朝食を食べ終わる頃には、今朝の夢のことなどコロッと忘れていた。
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おんぷ - 続き見たいです (2月4日 20時) (レス) id: e0221025e3 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 黒糖さまでーすさん» 同じく (2023年4月1日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 終わってるんですか、残念です (2023年4月1日 2時) (レス) @page21 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - なんで終わってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ((((泣 (2023年3月14日 22時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さんでーす - 更新頑張って下さい。続きが気になります (2023年3月2日 18時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2022年8月7日 22時