余命1週間の私と、忍たま達の愉快な日常 (ページ36)

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私の精一杯の策を愚策と言われ、私はしょんぼりとうなだれた。そんな私たちに近づくと、竹谷先輩はガシガシと私たちの頭を撫でた。

八左ヱ門「けれど熊相手に背中を見せなかったのはいい判断だ。すぐに襲ってこなかったのもお前たちが落ち着いていたからだな。あの状況下では百点満点だ」

頭を撫でられると、安堵が全身に広がった。アドレナリンが切れたようで、全身の痛みもじわじわと戻ってくる。

勘右衛門「いたか、八左ヱ門」

木の上から二つの影が下りてくる。五年い組の尾浜勘右衛門先輩と、久々知兵助先輩だ。

兵助「ボロボロじゃないか。崖から落ちたのか？」

私たちの姿を見ただけで何が起きたのかを察した久々知先輩は流石です。

尾浜先輩が狼煙を上げて他の五年生に知らせている間、私たちは傷を洗い、手当てを受けた。私の足はものの見事に腫れていて、こんなんじゃ走れるはずもなかった。

八左ヱ門「ここ最近、やけにボロボロだな」

竹谷先輩の言葉に、私はむすっと口を尖らせた。

『私だって好きでボロボロなわけじゃないです。また数馬に怒られちゃいます』

それに、ただでさえ傷の治りが遅くなっているんだ。何回も怪我したら身が持たない。

三之助「それにしても、全くキノコを採れなかったなぁ」

残念そうに空を仰ぎながら三之助は言った。確かに、何一つ目的は達成されていない。

三郎「それはどうかな」

合図に気づいて駆けつけたのだろう、ろ組の鉢屋先輩と不破先輩も現れた。

雷蔵「君たち、気づいていないかい？よく見てご覧」

不破先輩に言われ、私はきょろきょろとあたりを見渡した。

『あっ……』

よく見ると、木々の隙間にキノコが見える。大きくて美味しそうだ。

三郎「ここで採って帰れば十分すぎるくらいあるな」
八左ヱ門「俺たちが集めた栗もあるし、今日はごちそうだぞ」

私は嬉しくて左門たちと顔を見合わせた。

作兵衛「よし、キノコを集めるぞ！」
左門「おー！」
三之助「あ、Aは座ってるんだよ」
『はぁい』

もともとキノコ探しに来ていたのはろ組の三人だし、これでいいか。

私たちは籠いっぱいのキノコと栗を持って忍術学園に帰った。私は尾浜先輩に背負ってもらい、その傍には左門と三之助がずっとついていた。あと少し竹谷先輩が遅れていたらみんな死んでいたかもしれない。そう思うと私も怖くて、二人から離れられなかった。
でも、３年ろ組との仲が深まった気がするし、五年生とも仲良くなったし、一件落着かな？