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一瞬の沈黙。
滝夜叉丸「なぁーんだ、そんなことか! 確かに忍術学園ナンバーワンのこの平滝夜叉丸に頼るのはさぞ勇気がいるだろう! しかし自分を責めてはならないぞ、この私のオーラに気押されるのは当然なのだからgdgd……」
あーあ、始まった。
タカ丸「僕は君たちに色々教わりたいなぁ。お礼に髪結いするから」
藤内「僕たちでよければ教えますよ!」
左門「私も!」
『じゃあ私も!』
いつもの調子に戻った滝夜叉丸先輩のことはみんな放置している。守一郎さんも、さっきの私の話を聞いて肩を撫で下ろしているようだ。
ちなみに私は精一杯の愛嬌を振りまいた後なので、軽く自分に吐きそうになってます。くの一じゃあるまいし、自分の上目遣いとか想像でも嫌だ。あーあ、あとで作兵衛たちに笑われちゃうな。
またガヤガヤとし出した部屋を廊下から一瞥して、数馬がため息をつく。
数馬「早く寝たいんだけどな」
藤内「僕たちの部屋なんだけどね」
藤内も遠い目をしている。
喜八郎「僕はそろそろ帰ろうかな。じゃ、おやすみ」
『ちょっと! 四年生を連れて帰ってくださいよ!』
一抜けしようとする先輩の袖を掴む。
喜八郎「あれは無理だよ」
『お願いします! 先輩だけが頼りなんです!』
喜八郎「あのねぇ……しかたないなぁ」
「頼り」という言葉に小さくため息をつくと、綾部先輩は滝夜叉丸先輩につかつかと歩み寄った。そして話に夢中になっている滝夜叉丸先輩の頭を踏鋤でぶん殴った。
『うわ』
気絶した滝夜叉丸を少しスッキリしたような顔で見下ろす綾部先輩。田村先輩がため息をついた。
三木ヱ門「あのなぁ、喜八郎……」
喜八郎「だってうるさかったから。おやすみ」
うーん、いい表情。綾部先輩が部屋から出ていくと、残された三、四年生は困ったように目を見合わせた。
左門「漢らしいな」
三之助「ついでに部屋まで連れて行ってくれたら良かったのに」
三木ヱ門「こいつを運ぶのは勘弁だ。私はユリコの手入れがあるから戻らせてもらう」
田村先輩も綾部先輩に続いて出て行ってしまった。特大の荷物を残された私たち三年生は途方に暮れて目を見合わせる。
守一郎「俺が運ぶよ。タカ丸さん、手伝ってくれませんか」
タカ丸「もちろん。夜遅くにごめんね」
タカ丸さんと守一郎さんは四年生の中では良識のある人たちだ。私たちは二人に感謝を伝え、同時に頭の中で皆こう思った。
…………こういうところだよ、四年生。
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おんぷ - 続き見たいです (2月4日 20時) (レス) id: e0221025e3 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 黒糖さまでーすさん» 同じく (2023年4月1日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 終わってるんですか、残念です (2023年4月1日 2時) (レス) @page21 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - なんで終わってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ((((泣 (2023年3月14日 22時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さんでーす - 更新頑張って下さい。続きが気になります (2023年3月2日 18時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2022年8月7日 22時