余命1週間の私と、忍たま達の愉快な日常 (ページ30)

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部屋に戻ると、不思議な光景が広がっていた。
膝をつく滝夜叉丸先輩と、横で困ったような顔をする三之助。同じように落ち込んだ様子の田村先輩の背中を、頷きながら撫でる左門。タカ丸さんと守一郎さんと輪になって話す作兵衛。早く帰ってくれないかな、とでも言うような顔の数馬。

孫兵は……多分ジュンコが寝る時間だから帰ったのだろう。

数馬「やっと帰ってきた」

私たちを出迎えて、数馬は三、四年生たちを見やる。

『えっと……何がどうなってるの？』

てっきり揉めているのだと思っていた。三年生vs四年生！みたいな。数馬は肩をすくめる。

数馬「いつも通り喧嘩にはなったんだけど……四年生、どうやらAに頼りないって言われたのが相当堪えたみたいで。慰める会になっちゃった」
藤内「まあ、確かにショックだろうけど……」

いや、二人してこっちを見ないでよ！！私が悪いみたいじゃないの。話の流れからしてみんな共犯だからね？

喜八郎「滝夜叉丸も三木ヱ門も、女の子にモテる〜とか言う謎の自信があるからね。ちゃんとへし折られたようだ」

何で綾部先輩はそんなに満足そうなんですか？

『あのう……私の言ったことが先輩たちを傷つけたのならすみません』

とりあえず近づいて一人一人に謝る。まさかあんなに自信過剰な四年生が、私の一言でここまで傷つくなんて思わないよ。

滝夜叉丸「いいのだ、頼りないのは我々の力不足であるから……」
三之助「滝夜叉丸先輩、そこまで謙虚になるなんて滝夜叉丸先輩らしくないですよ！」

三之助が目を丸くして、虚ろな目をした滝夜叉丸に声をかける。

守一郎「俺、確かに知識は古いかもだけど、ちゃんと教えられることもあるから！こっちから聞くことも多いと思うけど……」
『私、守一郎さんが学んだこと、是非知りたいですよ』

必死な顔をする守一郎さんに、柔和に微笑む。

『それに座学が本当に苦手なので。先輩たちのことは普通に尊敬しているし、たくさん学ぶことがあるなって思います』

横で作兵衛が深く頷いているのでこづいておいた。

三木ヱ門「では何で頼らないんだ？」

困惑した顔で聞いてくる。

『それはですね……』

数馬が必死な顔で訴えてくる。綾部先輩を見やると肩をすくめている。藤内はやれやれと首を振った。

よし、あれを使おう。

『先輩方が優秀だから、ですよ。その、私たち気後れしちゃって……本当はもっと、仲良くなりたい、です』

恥ずかしくて俯きながら、ちらっと反応を確認する。