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(数馬side)
今日は五年生と六年生が怪我をしたから、保健委員会は大忙しだった。特に保健委員会委員長の善法寺伊作先輩が、5、6年生全員に押し潰されて大怪我をしてしまい、僕たち下級生と新野先生だけで手当することになってしまった。
長屋に帰る頃には夜になってしまっていた。そう言えば、Aが宿題を教えて欲しいと言うからみんなで集まっていたはず。最近はAも元気そうで、僕たちもほっとしているところだ。
みんな、もう宿題を終えて寝ちゃったかもなぁ。僕は1人、ため息をついた。
滝夜叉丸「なんだ、ため息なんかついて」
後ろから声をかけられる。振り向くとそこには滝夜叉丸先輩、タカ丸さん、守一郎さんがいた。
「四年生の皆さん……お揃いでどうしたんですか」
滅多に見ない光景に、僕は少しだけ後退りする。四年生が揃っていてろくなことが起こるはずがない。
三木ヱ門「待て待て、逃げるな」
さらに背後から声が聞こえた。振り向くと、田村先輩に綾部先輩。完全に四年生に囲まれた。
守一郎「今日、五年生と六年生が戦っただろ? あれから俺たちも、五年生と三年生に思うところがないか話し合っていたんだ」
その話し合いをした後の四年生に遭遇してしまうなんて、我ながら運が無い。三年生と四年生は昔から仲が悪いのに。
滝夜叉丸「で、どういう話になったと思う? 数馬」
「……どういう話になったんですか」
言いたくて仕方がなさそうな滝夜叉丸先輩。僕は渋々聞いた。
滝夜叉丸「三年生と四年生は仲が悪い! 体育委員会の後輩である次屋三之助、会計委員会の神崎左門は方向音痴で我々を日々困らせる。毒を持つ生物を逃しては学園中を騒がせる伊賀崎孫兵もまた然りだ」
三木ヱ門「本当に困ったものだよ。私たちは先輩なのに呼び捨てで呼んできたりと、全く尊敬が見られないし」
目の前で同学年の悪口を聞かされて、僕はどうすればいいんだろう。確かに左門と三之助は方向音痴だし、孫兵にも困ったものだ。けれど、その欠点を上回るくらいいい奴だし、それは他のみんなもそうだ。好き勝手言い放題の四年生に、僕は拳を握りしめた。
喜八郎「滝夜叉丸、三木ヱ門、それじゃあただの悪口じゃ無いか」
綾部先輩が落ち着いた口調で割って入る。すまん、と田村先輩が申し訳なさそうな顔になった。
タカ丸「でも俺たち、三年生のことは何だかんだ好きなんだよ。滝夜叉丸と三木ヱ門は照れているだけなんだ」
タカ丸さんがにこやかに言う。
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おんぷ - 続き見たいです (2月4日 20時) (レス) id: e0221025e3 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 黒糖さまでーすさん» 同じく (2023年4月1日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 終わってるんですか、残念です (2023年4月1日 2時) (レス) @page21 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - なんで終わってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ((((泣 (2023年3月14日 22時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さんでーす - 更新頑張って下さい。続きが気になります (2023年3月2日 18時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2022年8月7日 22時