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新野先生「おや、目が覚めたんですね」

七松先輩と二人きりという地獄の空間に、救世主が現れた。七松先輩を見て驚いたような顔をするが、すぐに諦めたように首を振った。待って先生、七松先輩の自分勝手ぶりにお手上げしないで。普通3年生の女の子が寝ているところに6年生男子がいたら問題でしょ。
まぁ、この話は置いておこう。

『もうすっかり元気です』
新野先生「いえ、Aさん、貴方の健康状態を確認させてもらいましたが、どうも最近よくないようですね。いつも以上に睡眠時間が長いと、三年生の皆さんからも聞いています」

きゃー、こうなるからバレたくなかったんだ。

新野先生「脈も平均より随分遅いですし、顔色もよくありません。最近疲れやすかったりしませんか?」
『ええ、まぁ疲れやすいと言えば……』
新野先生「栄養は取れているようですし、もしかしたら重大な病気が隠れているかもしれません。ここには最低限の設備しかないので、一度町のお医者さんに診てもらったらどうでしょうか」

確かに、もともと死に至る病だから重大なんだけどさ……でも、診てもらったところでどうにもならないものなんだよな。
首を縦に振らない私に、新野先生は心配したような、困ったような顔をする。

小平太「大方、周りに心配かけたくないんだろう? 普段元気な奴はそんなものだ」

初めて先輩と意見が合った気がするよ。

『私なら大丈夫ですよ』

私はにこりと笑った。

小平太「そうだ! 私が医者に連れて行こう!」
『いいですって!』

何も聞いてなかったなこの人。

新野先生「確かに、七松くんが一緒に行ってくれると心強いのですが……」
『本当に大丈夫なんですっ! 頼むから……』

立ち上がろうとした私の腕を先輩が掴む。その鋭い眼光に、私は思わず息をのんだ。

小平太「いいから、私と共に来い。何としてでもだ」

先輩の力はとても強くて、私の力では振りほどけなかった。少し開いた戸の向こうから月明かりが差し込み、私たちをぼんやりと照らす。先生も先輩も、私を心配してくれるのは分かる。けれど……どうしようもなくイライラしてきた。

私は笑顔を消し、先輩を見上げた。

『では、約束してください……医者に何と言われようと、みんなには秘密にしてくださると』

私の表情に何か並々ならぬものを感じたのだろう。先輩は少しの沈黙のあと、神妙な顔で頷いた。
私は頬を緩める。

『大丈夫……私は大丈夫です』

半ば自分にも言い聞かせるように、私は囁いた。

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作品ジャンル:アニメ
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おんぷ - 続き見たいです (2月4日 20時) (レス) id: e0221025e3 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 黒糖さまでーすさん» 同じく (2023年4月1日 2時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
砂糖水 - 終わってるんですか、残念です (2023年4月1日 2時) (レス) @page21 id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - なんで終わってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ((((泣 (2023年3月14日 22時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さんでーす - 更新頑張って下さい。続きが気になります (2023年3月2日 18時) (レス) @page21 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まみむー | 作成日時:2022年8月7日 22時

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